池内 紀(おさむ)さんの「すごいトシヨリBOOK」を読みました。
『すごいトシヨリBOOK -トシをとると楽しみがふえる-/池内紀著(毎日新聞出版)』という本を読みました。
池内さんは、ドイツ文学者でエッセイスト、山や町歩き、自然にまつわる本など著書多数です。
私は、「はかまみつお」さんがご健在だった頃のNHK・FMでの「日曜喫茶室」という番組での“常連”役で出演されていたことをよく覚えています。
とてもやわらかで、落ち着いた話しぶりが素敵でした。
「トシをとると楽しみがふえる」という副題が付いていますが、池内さんは、人が老化すること自体を当然のこととして受け入れ、病気や死についても、かかりつけ医と家族には自分の考えを話しておいて、ありのままの状態を受け入れることの大事さを強調して書かれていました。
それから、「まだまだ若い」とか、老人同士で何かグループ・組織などを作って活動することについても、やんわりと反対されています。
若い若いと思っていても、周りはすでに老人扱いをしているし、自分で自分の老化状態がよくわかっていない・・というようなことを丁寧に書かれていて、私も同感する部分が大きくありました。
むしろ、自分で4年間の目標、一年の四季ごとの目標、さらには月ごと、週刊、日々の・・というふうに、たいしたことでなくとも何をしていくのかを明確にして老後を生きる方法について実例を挙げつつ説明してくれるのです。
勉強になった。
ちょっと面白かったのは、カタカナ語が近年頻繁に使われているが、自分にはさっぱりわからないものについて、短冊を用意して書いておいて、あとで入念に調べているのです。
ご本人は「何とかスキルをどう・・」とか「そういうターム」とか、自分たちの社会の決まり文句を応用しているだけで、自分のメッセージになっていない“カタカナ語使い”の人を一刀両断していますが、でも疑問に思ったことを紙に書いて調べていくという作業は、私も大事だし、面白いと思いました。
「スマートフォンですぐ調べると簡単だと思うだろうが、簡単に調べたものは簡単に忘れる」とも書かれていて、まったくの同感です。
自立しない老人が非常に多いという話もされていて、提案として「テレビと手を切りましょう」と言っています。
一度、一方的に流されてくる情報を遮断してみる。
自分が本当に興味があるものは、遮断しないとわからない。
テレビの持つ、あの非常に「安っぽい情報」、「安っぽい娯楽」、「安っぽい教養」、そういうものは一度、拒否してみていいんじゃないか、というわけです。
またまた同感しました。
特に最近のテレビ番組は上記のような感じで、私も週にせいぜい1~2時間程度しか見なくなりました。
この本では、老後を生きて行くための池内さんご自身の実例がたくさん示されていますので、私も真似できそうなものは、ちょっと試してみようと思っているところです。
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