「酒場歳時記・吉田類」を読みました。
『酒場歳時記/吉田類著(生活人新書)』を読みました。
吉田類さんといえば、もう“酒場に居る人”(^_^;)として知らない人は日本全国ほぼいない、と言ってもいいでしょう。
「居酒屋の達人」として知られる太田和彦さんとは双璧です。
酒場の巡り方というか、“いずまい”は、お二人はちょっと異なる印象ですが・・。
酒好きの人はほとんど吉田類さんがどういう人で、どんなお酒の飲み方をしているかはご存知かと思いますので、この本を読んでちょっと気になったところなどをご紹介したいと思います。
大阪の居酒屋、定番メニューの「どて焼き」と、東京でいう「モツ煮込み」は同じもの?っていう一文がありました。
基本的に味噌で煮込むのを大阪では「どて焼き」と言っていると思いますが、東京でも白味噌ベースの味付けをした煮込みもあります。
私の感じでは、「どて焼き」の方が“こってり”しているような印象があります。
また、東京の「煮込み」はどちらかというと、タレ自体をスープとしているような感じもあります。
現在はコロナ禍で難しいですが、大阪に行く機会があったら、その違いを“確認”に出掛けたい(*^^*)などと思いました。
もうひとつ、「ハイボール」の話題が書かれていました。
吉田さんによれば、戦後の焼酎はクセが強すぎて、臭いもきつかったそうで、炭酸で割っただけでは旨い飲物にはならなかったのだそうです。
そこで、かつては「謎のエキス」とされていた、そして今では「天羽(飲料)商店」の“ハイボールの素”として知られる“エキス”が開発され、それが炭酸とともに焼酎を割って、ハイボールが普及していったというお話でした。
実は、私、そのエキスの入った焼酎ハイボールを提供する老舗にはまだ行ったことがありません。
先ほどの「どて焼き」とともに、コロナ禍が収まったら、ぜひ試したいと思いました。
それから、吉田さんのテレビ収録に伴う苦労話も書かれていましたが、冷えてパサパサになったウニ焼きを食べねばならないようなこともあったとのことで、香りも水分も飛んでザラついたウニ焼きは喉を越せない・・と「針の筵(むしろ)に座しながら進行することもあった」と回顧していました。
そういうこともあるでしょうね。
吉田さんは、「貴重な体験であった」と、その悲哀について書かれていました。
吉田さんの『酒場俳句』と共に居酒屋の風情を楽しめる、いい本でした。
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