「~東海林さだおアンソロジー~ 人間は哀れである/東海林さだお著・平松洋子編」を読みました。
『~東海林さだおアンソロジー~ 人間は哀れである/東海林さだお著・平松洋子編(ちくま文庫)』を読みました。
この本を手に入れたのは、平松洋子さん(作家・エッセイスト)が編纂しているという理由が一番です(^^;)
平松さんの世代(私と同世代)でも東海林さだおさんのエッセイをたのしんで読んでいるんだなと思い、ちょっとうれしかったし、平松さんがどういうものを選んでくるのかに興味を持ち、手に取ったというわけです。
で、読んでみると、いよいよ夫が退職した頃の夫婦間の微妙なところが書かれているものや、男が女をどう見て、どんなくだらないことを考えているのか、というようなところを突いているようです。
東海林さんの文って、ほんとうにそこらのオジサンが考えそうなことで、“ちいさい男だな”と思われるようなことばかり、そこを女性の読者として“面白がれる”ところが平松さんの心の広さを感じさせるところです。
たぶん、ウチの奥さんだったら、読み始めて3分もしないうちに、ゴミ箱に捨ててしまうでしょう(^_^;)
奥さんに「ちょっとタバコ買ってくる」という言葉さえ口に出すのをためらい、何度も自分で練習したり、語尾やその他を変えて工夫してみたりする夫が登場するお話がありましたが、なさそうで、ありそうです (・_・;
あと、東海林さん、いい歳こいて辞書を“くまなく”点検して、“エッチな言葉”を探しだし、「踏み込みが足りない」とか、「エッチな意味を完全無視している」などと不満を言っています。
・・これって、小中学生が初めて辞書を手にしたときにするようなことだと思います。
私も呆れ果てましたが、平松さんはこの題材を拾っているわけで、大した心の寛大さだと思いますし、ものごとを“面白がれる”ということが大切なんだな、とあらためて感じた次第です。
結局、最後まで読んじゃった・・というのが、いつもの東海林さんのエッセイを読んだときの感想です。
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