伊集院静さんの「もう一度、歩きだすために」を読みました。
『もう一度、歩きだすために -大人の流儀11-/伊集院静著(講談社)』を読みました。
この三月に出たばかりの本です。
新しい本なので、伊集院さんご自身の病気からの回復の様子や、現在の心境なども書かれていて、少し安心しました。
ただ、愛犬が亡くなったことについては、なんどもふれられていて、その寂しさが伝わってきて、こちらも“しんみり”してしまいました。
また、新しい本ということで、コロナ禍での当時の菅首相の対応、東京オリンピック開催についても、伊集院さんは決して臆することなく、思うところを書いています。
はっきり言って、政治家も報道メディアも“腰抜け”ばかりの今の世の中で、これほど堂々とご自身の考えを述べられているのには、とても“うれしさ”と共に“共感”と“心意気”を感じました。
「国民がコロナに感染して生死の境にあるのを無視したたげの話だ」と、当時のコロナ対応の遅れについてバッサリと切り捨てています。
菅首相が人が尋ねていることと違った答えを言った後で、「どの質問にも、国民の安心と安全を、と同じことをスピーカーのように繰り返して恥ずかしくないのか」と書かれています。
私もまったく同様のことをこのブログで書きましたが、その反応は低かった。
伊集院さんのような方が“言ってこそ”だからかもしれませんが、記者や一般の人達は、当時あまりにも首相の発言・行動について批判が足りなかったと、私は今でも思っています。
この本の帯にも書かれていますが、この「大人の流儀・シリーズ」は、かなりのベストセラーになっているようです。
買っている人の多くは、たぶん私のように、「ああすっきりした、私の言いたかったことを歯に衣着せずに書いてくれている」と思うから、ベストセラーになったのだと思います。
伊集院さんは、あの大震災と、このコロナ禍を経験した私達に「体調がよくなれば、立ち上がって歩きだそう。立ち上がることができれば、次は少しずつ前へ歩み出せるものです」と書かれています。
私もこの一年、病気で体調を大きく崩し、仕事も辞め、療養半分の日々で、とても落ち込むことが週に何度もありますが、それでも少しずつ前へ歩みだそうと、この本を読んで思い直しているところです。
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