「日本橋に生まれて -本音を申せば-/小林信彦」を読みました。
『日本橋に生まれて -本音を申せば-/小林信彦著(文藝春秋)』を読みました。
週刊文春に連載されているコラムの完結編とのことです。
シリーズ23巻目にあたります。
翻訳推理小説雑誌編集長を経て、作家となられた著者、小林信彦氏は昭和7年生まれ。
上記、推理小説雑誌編集長に就任するにあたっては、あの江戸川乱歩も関わっていて、その様子もこの巻に書かれていました。乱歩までさかのぼれるような方なのです。
文中に登場する人達も、まだ売れていない頃の野坂昭如さんや、渥美清さん、植木等さん、エノケンさん、長部日出雄さん、横溝正史さん、大滝詠一さん、大島渚さん、内田裕也さん、坂本九さん、タモリさん、伊東四郎さんなど、錚々たる顔ぶれです。
ただ、私もかなりの年配者ですが、もう書かれている場面の背景がわからない部分が多く、当時の世相や、テレビ番組なども皆目“見当がつかない”ことだらけで、何を言っているのかまるで理解できないことがありました。
また、項目によって“書きぶり”というか、テンポも異なり、詳細に書かれている部分もあれば、あっさりと“飛ばして”いるようなところもあり、追いつけない部分も多くありました。
「わかっているだろう」という感じのところが多々あるので、そういう書きぶりの項は、ほとんど理解できませんでした。
細かく書かれている項もあったので、それについては時代背景や、当時の状況(ゲバゲバ90分などの番組について書かれていた部分など)もよくわかり、とても懐かしかったり、新事実を知ったりで、驚きました。
私がなかなかついて行けなかったのは、関わってくる有名な人たちに対する接し方、感覚が、“突き放す”ようなものが多く、情緒的なふれあいみたいなものを感じる接し方を感じた人はほとんどいませんで、ちょっと“引き”ました。
あまりにも“ドライ”な感じが、読んでいるこちらにとって、ちとつらい・・。
まるで昔話を映画のフラッシュを見ているような感じで次々と語られていて、当時の状況を知っている人からしたら、とても興味深く、資料的価値もかなりのものだと思いました。
ただ、私には、様々な文献で過去を勉強してからでないと、“太刀打ち”できないものでした。
また出直します。
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