中学時代の先生が送ってくれた本、読みました。
『103歳になってわかったこと -人生は一人でも面白い-/篠田桃紅著(幻冬舎文庫)』という本を読みました。
これは、このブログで何度も登場する私の中学時代の担任で美術の先生が、ついこのあいだ送ってくれた本です。
著者、篠田さんは美術家。この本を世に出したのが2015年で、その後2021年、107歳で亡くなられています。
この本を送ってくれた中学時代の担任の先生も、もう75歳。私との電話でも「生きて行くこと」についてよく話されます。そして、この本がとても参考になったとおっしゃっていました。
その教え子の私が読んでも、今後生きて行く、そしてやがて死を迎えることについて参考になりました。気が楽にもなりました。
私の先生もよく言っていたことで、この本の著者、篠田さんも書かれていましたが、個展などの会場で来場者の方から「これはなにを表わしているのですか?」と、よく聞かれるというのです。
絵というものは、自分のなかに湧いてくる思いを、目に見えるようにしたものなので、「なにを」という質問には、いつも戸惑ったと書かれています。
絵に表われているものこそが、質問の「なにを」で、そしてその「なにを」は見る人によって、どのように受け止めてもいいものです。
と、書かれていますが、私もこういう質問をする人のことがわかりません…σ(^_^;)
でも、いるんですよね、かならず個展などの会場にd(^_^o)
人にとって、生きているのがいいのか、死んだほうがいいのか、誰にも判断はつけられないのですが、著者もそうであるように、生きていたからこんなことに出会えたと思うこともあれば、こんなことになるなら生きているんじゃなかった、などと思うこともあります。
わからないから、一日、一日生きて行くんだ・・などと思いました。
あと、私が気になった部分は、「時間でもお金でも、用だけをきっちり済ませる人生は、1+1=2の人生だが、無駄のある人生は、1+1を10にも20にもすることができる」という部分でした。
いろいろあって今がある私ですが、まったくそのとおりだと思っている昨今です。
無駄だと思っていた部分、“余白”のような部分が人生にとって、とても貴重だったのだ、と今にして思うわけです。
先生には、いい本を送ってもらいました。
忘れそうになったら、時々この本を開いて、生きて行くことに前向きに、よろこびを感じつつ過して行こうと思います。
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