伊集院静さんの「大人への手順」を読みました。
『大人への手順/伊集院静著(文藝春秋)』を読みました。
週刊文春の「辛口人生相談」から仕事、家族、子育て、老後、別れ・・などにジャンル分けした人生相談傑作選となっているものです。
伊集院さんの一連の本(特に六十代以降のもの)を読んでいる人にはお馴染みの、“辛口”というか、“当世風の当たり障りのない回答”とは大きく異なる、歯に衣着せぬ回答が気持ちの良い本でした。
あれこれ心配しながらも、前に進もうとする人には「それでいいんだ、これからもさらに困難やつらいことがあるかもしれんが、突き進め」と激励し、夫が亡くなった、友と仲違いした、一人の老後が心配だ、などと、くよくよしている人には、「それでもいい歳した大人か!しっかりしろ」と叱咤。
仕事に悩み、辞めてしまおうかと悩む若者や、そういう部下を抱え、どうやって育てようかと悩む中間管理職にも、“猫なで声で励ましたり”することなく、「甘えるな」と一喝する(^_^;)・・・伊集院節全開ですd(^_^o)
孫が「ユーチューバー」になると言いだし、「遊ぶように楽しく仕事ができて、人気者になれて、お金も稼げる」と言っている、そんなうまい話があるのでしょうか?という六十代の女性からの質問には・・。
最近のバカ者の希望をすべて言い当てとりますナ。
そんなうまい話あるわけないでしょう。たまたまうまくいっているふうに見えるバカ者もいますが。
その連中はやがて全員、奈落の底へ行きますよ。
たとえ金が手に入っても、まともには生きられません。
やるだけやらしてみるのがイイでしょう。バカなモノを覗くのも、触れるのもイイ勉強です。
金があれば、それが成功と思う、下品な志しを早いうちにわからせることが肝心です。
と、きたもんだ'(*゚▽゚*)'
私がこのブログでほんとうは書きたくてたまらないことを一気におっしゃっていただいて、「ああ、せいせいした」ヽ(=´▽`=)ノ
私の小さな悩みと共通している二十代の女性からの悩みも気になりました。
方向音痴で悩み、地図が読めない。目的地にたどりつくのに時間がかかる。
「地図を頭の中で回転させる練習をしろ」「まず東西南北を把握しろ」などという、私もよく言われるアドバイスを受けていて、相談者に共感いたしました。・・あのね、このアドバイスが何を言っているのかもわからないんですよ、私…σ(^_^;)
伊集院先生のお答えは、方向音痴のおかげで、美しい風景や、思わぬ出逢いがあったりするはずです。
だいたい目的地に真っ直ぐ着ける連中の方がおかしいんだよ。今のままでゆったりしていた方が、きっとあなたに幸せをもたらすと思うよ。・・だって(*^_^*)
そうだよ、少し早めに出かけりゃいいんだからさ。
「今、自分がいる場所で東西南北の方角がわからないなんてヤツいるの?」と言われたことがありますが、こういうヤツ大嫌いっ!その場で頭に噛み付いてやりたくなります。
少し感情が高ぶってまいりました(^^;)ので、今回の読後感はここでおしまいにします。
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