映画「太陽とボレロ」を見ました。
映画『太陽とボレロ/2022年 日本 監督・脚本:水谷豊 出演:檀れい 石丸幹二 町田啓太 森マリア 水谷豊 西本智実 他』を見ました。
水谷豊さんの監督・脚本で、檀れいさんが主演です。
ある地方都市のアマチュア交響楽団の物語で、長年活動を続けてきたものの、近年観客の入りも悪く、年4回あった公演も2回と減り、支援してくれる企業等も減ってきて・・解散という苦渋の決断を主催者・花村理子(檀れい)が下したところから物語は始まります。
花村理子は、急逝した父の事業を継ぎ、ピアニストになるのをあきらめ、故郷に帰り、交響楽団を支えてきたのですが・・。
その花村理子を鶴間(石丸幹二)が、支えてきたが、結局解散という結論は変わらず、でも解散コンサートに向けて皆が動き出すという話です。
もちろん主演の檀れいさん演ずる花村理子の音楽と人生の物語ではあるのですが、楽団員それぞれの想いや、生き方も絡んで、さらにラストのコンサートでは、役者それぞれが自分で練習して吹き替え無しで実際演奏するという・・感動的なラストが待っています。
私は宝塚歌劇が大好きですが、檀れいさんが現役トップ娘役だったときは、子育てに忙しく、生で彼女の舞台を見たことがありませんでした。ビデオで「王家に捧ぐ歌」を見たことがあるだけなのですが、堂々とした娘役にお見受けしておりました。
今回の役どころは、必死で企業や役所を回り、オーケストラへの支援を得ようとする様子や、楽団員からの突き上げに対応する様子など、真摯で、そして決断力もあり、人としての強さも見せながら、弱い部分も観客に感じさせる・・絶妙の演技でした。
ものすごく魅力のある女性を演じていました。それに、宝塚当時の雰囲気もそうでしたが、なんだかちょっと“浮き世離れ”した感じも、檀さんの大きな魅力であり、他の女優には見られない特徴だと思いました。
相手役とも言っていい石丸幹二さんも、ミュージカルスターとは思えないような庶民的な雰囲気も“まといつつ”、でも王子様的なものがキラリと光り、これまたふだんは見られないようなキャラクターをつくりあげていました。
二時間以上という長さも感じさせず、変なギスギスしたシーンもなく、淡いトーンの、落ち着いた時間が流れるやさしい感じの映画になっていました。
私にはとてもいい時間を映画で過させてもらったという感覚が残りました。
いい映画でおすすめです。監督の水谷豊さん自ら演じる指揮者も枯れたいい演技でしたよ。
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