堀内恒夫さんの「バカでエースがつとまるか!」を読みました。
『バカでエースがつとまるか!/堀内恒夫著(ベースボール・マガジン社新書)』を読みました。ブックオフで110円で見つけました(*゚▽゚)ノ
堀内恒夫さんは、プロ野球・巨人軍が「日本一9連覇」したときの投手、もちろんエースでした。そして子どもの頃の私が一番憧れたピッチャーでした。
速球と打者の背中から曲がってストライクゾーンに入ってくるカーブに驚いたものです。
オールスターなどでは、初めて対戦する打者がストライクなのに、のけぞって転倒するシーンなども何度も見ました。
守備は抜群に上手く、さらに打撃では自らの本塁打で日本シリーズを勝ったりと、そりゃあすごい人でした。
それゆえに、この本にも書かれていましたが、“甲府の小天狗”とか、“悪太郎”などと新聞に書かれたりしていたのも覚えています。
でもね、読んで驚いたのですが、堀内さんは様々なスポーツ紙を取寄せ、切りぬきは段ボール箱で何箱もして、打者の故障やその他の情報を集め、次の対戦では軸足の故障している打者には、ここを攻めればとか、対策を考え、試合後にはノートに打者への投球について細かに記して、攻め方や失敗したことなどを次の試合への糧にしていたとのこと。
また、登板前夜には、一試合分、打者ごとに丸々、頭の中でシミュレーションして臨んでいたとのことでした。
自分が現役時代に投げた投球は、ほとんど記憶に残っていて、一球一球まで再現出来るようです。“江夏の21球”のライフタイム版です。
それほど投手(特にエース)というのは、常に考えながら投球しているのだということが、今にしてわかりました。
それまで二十勝したことは一度も無かった堀内さんが、シーズン26勝して、日本シリーズでも大活躍したんじゃないでしょうか。打者としても大活躍していたと思います。
写真を二枚ほど載せていますが、これは学生だった私が切り抜いて取っておいたものです。
この年の堀内さんは“ひとまわり”スケールアップした感じがあったと記憶しています。
誰も打てない・・。球は速い。カーブは驚くほどの落差があり、天下無敵でした。
シーズン中に100勝を達成。そして日本シリーズでは王・長嶋以外では9連覇中初めて最優秀選手賞を取った人だと思います。
子どもの頃の私は草野球のユニフォームを買ってもらい、背番号は「18」を付けました。
憧れだったからです。
そんな堀内さんの“歯に衣着せぬ”本音で書いた本、とても面白いものでした。
力強い投手論(エース論)は、堀内さんならではのものでした。
スカッとする爽快な本でした。
« 宝塚歌劇・雪組東京公演「夢介千両みやげ/Sensational !」を観劇してまいりました。 | トップページ | 2005年発行の「それでいいのか蕎麦打ち男/残間里江子」を読みました。 »
「スポーツ」カテゴリの記事
- 江本孟紀さんの「実は大したことない大リーグ」を読みました。(2023.05.18)
- 野村克也さんの「名選手にドラマあり」を読みました。(2022.10.26)
- 二宮清純氏の「プロ野球 衝撃の昭和史」を読みました。(2022.09.30)
- 堀内恒夫さんの「バカでエースがつとまるか!」を読みました。(2022.06.03)
- 世の中、もうひとつ深いところに入らなくなってきたような気がする。(2022.02.13)
「想い出交錯」カテゴリの記事
- 1968年~71年頃のレコード各社の月報が手元に(2023.07.23)
- 「しみじみ・くすくす 小沢昭一的こころ」を読みました。(2023.07.17)
- 「ショージ君のほっと一息」を読んだ。(2023.07.14)
- 横芝光町のギャラリー『笑虎』が閉められることになった。(2023.06.17)
- 「帰りたくない!/茶木則雄」を読みました。(2023.05.28)
「書籍・雑誌その2」カテゴリの記事
- 「逆境を乗り越える技術/佐藤優・石川知裕」を読みました。(2023.09.21)
- 「かなり気がかりな日本語/野口恵子」を読みました。(2023.09.18)
- 「この命、何をあくせく/城山三郎」を読みました。(2023.09.16)
- 「カメラは詩的な遊びなのだ。/田中長徳」を読みました。(2023.09.15)
- 「カイミジンコに聞いたこと/花井哲郎」を読みました。(2023.09.11)
« 宝塚歌劇・雪組東京公演「夢介千両みやげ/Sensational !」を観劇してまいりました。 | トップページ | 2005年発行の「それでいいのか蕎麦打ち男/残間里江子」を読みました。 »
コメント