石田衣良さんの「小説家と過す日曜日」を読みました。
『小説家と過す日曜日/石田衣良著(文藝春秋)』を読みました。
いつものとおり、ブックオフにて200円でしたd(^_^o)
この本は、「石田衣良ブックトーク・小説家と過す日曜日」というメールマガジンの1~12号をまとめたものなんだそうです。
それぞれの号の内容としては、毎回「ショート・ショート」「ワイドショーのコメンテーター的発言」「衣良さんと小説の登場人物が二面性を持って語るエッセイ」「読者とのQ&A」「ブックレビュー」「しくじり美女との対話」が盛り込まれていて、いやもう大充実の“濃さ”です。
読んで見て、実際には、これを毎月メールマガジンとして発刊しているわけで、たいへんな作業だと思います。
本と創作の話、時代や社会の問題、恋や性の謎、プライベートに関わる親密な相談・・などなど、衣良さんがおもしろいと感じ、興味をもつことに対する思いは、とどまるところを知らないという感じです。
多岐に渡る内容の中で気になったことを少し取り上げてみます。
定額制の音楽聞き放題や、ドラマ・映画の見放題のサービスについて(いわゆる“サブスク”ってやつです)、聞き放題で月数百円として著作権をもつアーティストへの対価は、割り算をしたらずいぶんと少ないんじゃないか、そして視聴者の多くが似かよったソフトしか楽しまなくなるんじゃ・・とおっしゃっています。
自分でソフトを探し、目の前に“垂れ流されて”いるものを楽しむだけでは、よい趣味や自分なりのセンスを育てる力が弱くなっていく・・とも。
50年代のジャズや、70年代のロックを聴くマニアはごくわずかになって(・・私みたいなヤツですね…σ(^_^;))、恐ろしいことだという石田さんの気持ちはよくわかります。
もうひとつ
音楽の歌詞がくだらない説教みたいになりましたね、とおっしゃっていて、これも同感です。
みんな仲良くだとか、家族最高とか、桜はきれいみたいな歌ばっかりになっていると。
表現レベルがなんでこんなに落ちたのかと言っていて、私はそれに加えて、歌っている人は、日本人で、日本語で歌い、歌っている相手も日本人なのに、何を歌っているのかわからないとものが多いと思います。
なんとか英語みたいに聞こえるように“ウェイ”とか“ドゥエイ”などと歌っているので、歌詞は、さっぱりわからず、時々日本語らしい痕跡を発見(聴)している有り様です。
はっきり言ってみっともないです。こんな発音をふだんしていたら、恥ずかしいでしょう。
「譜割」も、その日本語の単語を解体して発音し、次の単語に半分くっつけたりしているので、何がなんだかわかりません。この“カッコワルイ”歌い方、いいかげんやめてほしいと思いますが、それをやめたら、その曲が“貧相”な曲だということがバレてしまうので、やめられないのでしょう。
などと、グチを言いつつ、今回の石田衣良さんの本についての感想を終わりたいと思います。
« 映画「大河への道」を見てきました。 | トップページ | 映画「エリザベス 女王陛下の微笑み」を見て来ました。 »
「音楽」カテゴリの記事
- 鮎川誠さんが亡くなった(2023.01.31)
- 高橋幸宏さんが亡くなって(2023.01.17)
- 中学時代の先生が開いた「レコード・コンサート」に行って来た。(2022.11.22)
- 「オーディオの作法/麻倉怜士」を読みました。(2022.08.06)
- 石田衣良さんの「小説家と過す日曜日」を読みました。(2022.06.17)
「言葉」カテゴリの記事
- 「プロフェッショナル100人の流儀(珠玉の名言集)」を読みました。(2023.01.10)
- 高嶋秀武さんの古い本「話のおもしろい人、つまらない人」を読みました。(2022.12.19)
- 「旅だから出逢えた言葉/伊集院静」を読みました。(2022.11.13)
- 「ニホンゴキトク」という久世輝彦さんの本を読みました。(2022.10.14)
- 永六輔さんの「聞いちゃった! -決定版・無名人語録-」を読みました。(2022.09.08)
「些細な気になること」カテゴリの記事
- ことわりきれない自分をやめようと思った。(2022.12.14)
- クルマのナンバーについて(2022.12.05)
- 「つい、そうしてしまう心理学/深掘元文」を読みました。(2022.09.13)
- 「日本トンチンカン悪者列伝」っていう本 (・_・;を読んだ。(2022.08.02)
- 石田衣良さんの「小説家と過す日曜日」を読みました。(2022.06.17)
「書籍・雑誌その2」カテゴリの記事
- 「いまも、君を想う/川本三郎」を読みました。(2023.04.01)
- 佐野洋子さんの「神も仏もありませぬ」を読みました。(2023.03.29)
- 春風亭一之輔さんの「人生のBGMはラジオがちょうどいい」を読みました。(2023.03.28)
- 「笑って、泣いて、考えて。 -永六輔の尽きない話-」を読みました。(2023.03.24)
- 糸井重里さんへのインタビューを中心にした「すいません、ほぼ日の経営。」を読みました。(2023.03.22)
コメント