太田和彦さんの「居酒屋と県民性」を読みました。
『居酒屋と県民性 -47都道府県ごとの風土・歴史・文化-/太田和彦著(朝日文庫)』という本を読みました。
太田さんといえば、全国の居酒屋をめぐり、さまざまな特徴ある居酒屋やバーを、本やテレビ番組などで紹介している“居酒屋の大家”?!ですd(^_^o)
今回の本は、47ある都道府県別に、それぞれの風土・歴史・文化を紹介するとともに、「これは」という居酒屋も紹介してくれるという企画です。
港町、商業の町、城下町、門前町・・などなど、その土地の風景が見えてくるような“書きぶり”に、わくわくしながら楽しみつつ読ませていただきました。
私の住んでいる千葉県についても、もちろん書かれているわけで、ドキドキしつつそのページを見てみると・・。
外房の太平洋、内房が東京湾、そして南端の館山に至る海岸線に小さな漁港が転々と連なる・・ということで、酒の肴には事欠かないというところまでは良いのですが、千葉の人については、「マナーも、礼儀も、公徳心も、政治家の道義もなっていなく、愛郷心もない」・・(T_T)・・と、にべもないのでした。
そうかぁ、ある程度当たっていると言えなくもない(^_^;)
でもね、お隣の茨城県のページをのぞいてみたら・・
室町末期成立の日本各地の風俗・人の性向を記した『人国記』から紐解き、
「ただ盗賊多くして、夜討ち、押し込み、辻斬り等をして、その悪事顕はれ、罪科の行なわるるといへども、恥辱とも曾て思はず、微塵も非義、非礼ということを知らざるやうの風儀にて、ただ肝胆の間、逞しく生まれ付きてかくの如くと見えたり」
・・と、そこまで書くかという感じでした( ̄O ̄;)
“水戸っぽ”は、理屈っぽい、骨っぽい、怒りっぽい、ということらしいのですが、はてさてどうなんでしょうか。
こんな感じで全国の県民性について書かれているのですが、肝心なのは「お酒」と「居酒屋」です。
横須賀の「銀次」、鎌倉の「企久太」、旭川の「独酌三四郎」、東京根岸の「鍵屋」、長崎の「安楽子」、大分の「こつこつ庵」、倉敷の「鬼の厨 しんすけ」、などなど、一度は行ってみたいと思わせる居酒屋がたくさん紹介されていました。
ここで紹介されていた松江の「やまいち」には行ったことがあるのですが、そのときはまだ太田さんのことも知らず、ただ宍道湖沿いの味のある店と思い入ったのです。
太田さんが紹介されるだけのことはある、と、今にして思います。
今まで食べたことのない新鮮な“しめ鯖”や、トビウオの刺身など、絶品でした。
一冊まるごと日本中の風景が目の前に浮かび、そしてその土地独特の肴のある居酒屋がたくさん紹介されているこの本、“呑兵衛”で“旅行好き”の方は手元にひとつ欲しいものです。
« 【はっPのアナログ探訪_0159: IN THE DARK / TOOTS AND THE MAYTALS ( LP )】 | トップページ | 「軽井沢ミカド珈琲物語」を読みました。 »
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 巣鴨に落語を聞きに行ってきました。(2023.12.06)
- 「京都でひっそりスピリチュアル/桜井識子」を読みました。(2023.12.05)
- ブログ版、出雲・松江の旅まとめ その3(2023.11.24)
- ブログ版、出雲・松江の旅まとめ その2(2023.11.23)
- ブログ版、出雲・松江の旅まとめ その1(2023.11.22)
「お酒」カテゴリの記事
- 「居酒屋へ行こう。/太田和彦」を読みました。(2023.10.21)
- 伊集院静さんの「大人の男の遊び方」を読みました。(2023.08.14)
- 「予約一名、角野卓造でございます。【京都編】」を読みました。(2023.07.11)
- 「飲むぞ今夜も、旅の空/太田和彦」を読みました。(2023.02.18)
- 「私の酒 -『酒』と作家たちⅡ-/浦西和彦・編」を読みました。(2022.11.20)
「書籍・雑誌その2」カテゴリの記事
- 「京都でひっそりスピリチュアル/桜井識子」を読みました。(2023.12.05)
- 「しあわせのねだん/角田光代」を読みました。(2023.12.02)
- 「眠れぬ夜のラジオ深夜便/宇田川清江」を読みました。(2023.11.30)
- 加藤諦三先生の『どうしても「許せない」人』を読みました。(2023.11.27)
- 伊集院静さんの「あなたに似たゴルファーたち」を読みました。・・この文を書き終えたときに伊集院さんの訃報が入ってきました・・。(2023.11.24)
« 【はっPのアナログ探訪_0159: IN THE DARK / TOOTS AND THE MAYTALS ( LP )】 | トップページ | 「軽井沢ミカド珈琲物語」を読みました。 »
コメント