【The Beatles 研究室・復刻版】Please Please Me[A-4]Chains
15年以上前の文なので細部の表現・事実についてはお見逃しください。
今回は、デビュー・アルバム「Please Please Me」から、「チェインズ」を取り上げます。
ジョージがソロでボーカルを取る、最初の曲となります。
このアルバムで、前の三曲では、ポールとジョンがソロでもデュエットでも遺憾なく実力を発揮し、ジョージにとってはちょっとやりにくかったかもしれません。
でも、生真面目過ぎるほどの丁寧な歌いっぷりに逆に好印象を当時のファンは感じたかも。
ジョンが真ん中、ポールが高音、ジョージが低音を歌うコーラスは、バッチリ決まってます。やっぱりビートルズのコーラスは天下一品だと感じさせてくれます。
この曲は、ビートルズの作曲ではなくて、あのキャロル・キングがまだソング・ライターのみで、歌っていなかった時代の作だそうです。
アメリカでは、黒人女性グループのクッキーズがレコーディングし、17位までいったとのこと。
ビートルズは、当時ガール・グループの曲を取り上げていますが、その中の一曲です。
あまり注目される曲ではありませんが、ジョージの初々しさを感じ、ビートルズ初期の脈動を感じたいときには、どうぞこの曲をご賞味ください。
〈追記〉2022/07/30
手元にあるいくつかの「チェインズ」の音源を聞き直してみました。
先ずは、米国キャピトル盤「アーリー・ビートルズ」に入っているステレオ版。
ジョージのボーカルがジョンみたいに聞こえます。また、かなり“しわがれて”います。
何度かテイクの録り直しがあったせいかと思われます。
左右の分離は、かなり“はっきり”しています。
ギターの音も、とてもクリア。バックのジョンとポールのコーラスもよく聞こえます。
続いて、同じ米国キャピトル盤「アーリー・ビートルズ」のモノラル版。
英国オリジナル・モノラル盤よりもワイルドで、全体に音が歪んでいる感じがします(ギターもボーカルも)。
ジョージのボーカルは歪んだことによって、逆にリアル感が出ているように思います。
次は、アルバム「ライブ・アット・BBC」を聞いてみます。
リズム・ギターが軽い感じでリラックスして弾かれています。ジョンのリズム・ギターって、軽く弾いてもけっこうしっかりとしたカッティングにいつもなっているのです。
ジョージのボーカルはオリジナル本編と異なり、つぶれていなくてやさしい声。
リンゴのドラムは、割と一生懸命に叩かれていて、ハードヒットしている感じです。
そして、いよいよ2009年のステレオ・リマスター盤。
米国盤よりも、全体に落ち着いたミックスです。
アメリカほどギターの音が強調されていません。
ジョンとポールのコーラスも後ろで自然に聞こえています。
最後は、2009年モノラル・リマスター盤。
ジョージのボーカルを明らかに中心にしてミックスされています。
後ろの二人のコーラスは“かたまり”になって聞こえてきます。
リンゴのドラムも歯切れ良く、とてもいい音。
リズム・ギターも曲をよく引っ張っているように聞こえました。
« 「軽井沢ミカド珈琲物語」を読みました。 | トップページ | 「トンカチからの伝言/椎名誠」を読みました。 »
「The Beatles 研究室・復刻版」カテゴリの記事
- 【The Beatles 研究室・復刻版】Please Please Me[A-3]Anna (Go To Him)(2023.06.05)
- 【The Beatles 研究室・復刻版】Past Masters ・ Volume Two[A-2]We Can Work It Out(2023.04.19)
- 【The Beatles 研究室・復刻版】With The Beatles[B-6]Not A Second Time (2023.03.07)
- 【The Beatles 研究室・復刻版】The Beatles (White Album)[B-9]Julia(2022.11.16)
- 【The Beatles 研究室・復刻版】With The Beatles[B-5]Devil In Her Heart (2022.11.07)
コメント