嵐山光三郎さんの『「下り坂」繁盛記』を読みました。
『「下り坂」繁盛記/嵐山光三郎著(ちくま文庫)』を読みました。
いつもながらのブックオフで、100円コーナーにて見つけましたd(^_^o)
この本は、2009年に新講社から刊行されたものの文庫化で、嵐山さんが六十代後半にさしかかったころのものです。
だから、タイトルにある「下り坂」というのは、“人生の下り坂”を意識しての言葉です。
読んで見ると、下り坂と言っても、どんどん“しょぼくれて”いくことを哀しむようなことではなくて、本の表紙のイラストにあるように、人生の下り坂を傾斜を利用して、“軽快”に?!降りて行こう・・というような感じに受け取れました。
嵐山さんの世代(1942年生まれ)の人達っていうのは、戦後を“もろ”に経験し、日本が復興していく中で“ガンガン”働き、昼も夜もなく仕事に突入していた人達ではないかと思います。
かといって、遊びはしないのか、というと、それはそれ!破滅的に遊びもして、さらに浴びるほど酒を飲み、競馬・競輪・麻雀も給料が底を突くまでやって、さらに恋愛に関しても猛進していく・・という、私がそれらの人達を見た最後の世代かもしれません。
だからきっと、もうスピードをある程度緩めて下り坂を降りて行こう・・ってことなんだと思います。
ただ、それらの世代を上司に持った私達は、“不幸”だったかもしれません…σ(^_^;)
「いいからやれっ!」と、「無理が通って道理が引っ込む」ような毎日でしたから。
仕事もガンガンやった人達ですが、その“無責任”感も今の人達では想像できないくらいだし、自分さえ良ければという感覚も、今の若い人には理解できないでしょう。
嵐山さんは、時代の“いいとき”を経験していますが、それを懐古的に振り返るでもなく、収入も落ち始め、明らかな下り坂を意識しつつも、六十代後半からの人生を、楽しみを減らすことなく過しています。
すべての人には参考にならずとも、自分の生き方を意識して、人生の終盤を楽しく生きる方法は伝わってきました。
とても面白く読みました。
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