【復刻版】Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』⇒《Workout / 1961》 Hank Mobley
十数年前に作っていたホームページ“Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』”のブログ版復刻です。
取り上げているのは、ハンク・モブレーのアルバム、「ワーク・アウト 」です。
再度聞き直して、追記も行いました。
Hank Mobley/ts
Grant Green/g
Wynton Kelly/p
Paul Chambers/b
Philly Joe Jones/ds
①Workout
②Uh Huh
③Smikin'
④The Best Things In Life Are Free
⑤Greasin' Easy
私の“大好物”とも言える「ハンク・モブレー」のアルバムです。代表作には、あの「リカルド・ボサノバ」の入っている『ディッピン』というアルバムもありますが、このアルバムも私のお気に入りです。
よく、“B級テナー”とか“B級アルバム”の特集などに登場するモブレーですが、いやいやどうして、ほんとはお前らも好きなんだろう?と言ってやりたい気になります。
なぜかモブレーが好きというには、はばかられる風潮というか、わかりやすくて、かっこよくて、男らしくて、いけてるジャズに対しては、はすっぱに構えてしまうのが、ええかっこしいのジャズ・ファンなのかもしれません。
レモン・スカッシュよりもクリーム・ソーダ好き、または、天丼よりもカツ丼好きな感じが出てしまうのが気恥ずかしいような感じによく似ています(なんかよくわからない比喩かもしれないけど)。
でも、このアルバムはメンバーも錚々たるもので、ウイントン・ケリーやフィリー・ジョーも参加していて、文句のつけようのない演奏が続きます。
2曲目の「UH HUH」なんかぞくぞくしますよ。モブレーのテナーとグラント・グリーンのギターがみごとなユニゾンで入り込んでくると背中がぞくぞくして、きたきたキタ━━━━━━(≧∀≦)ノ━━━━━━ !!!!! って感じです。そして“掛け合い”!!
いやぁ、生きててよかったって思います。
4曲目の「The Best Things In Life Are Free」も肩の力が抜けてて、ジャズ本来の、マインドを自由にして、音楽そのものを楽しむような、そんな曲です。人生のひとときを、この曲を聞きながら過ごしている幸せを感じます。
ラストの「Greasin' Easy」はモブレーのオリジナル曲で、男のキザなところを存分に表現して、サックスを粋に吹いています。
ジャズを心から楽しめるアルバムだと思います。かっこつけずにね。
〈追記〉2022/08/18
過去のホームページでは、一曲目のタイトル曲「ワーク・アウト」を取り上げていませんでしたが、あらためて聞いてみると、モブレーが様々なフレーズや吹き方を駆使して曲を作り上げていく様子がなかなか良いものです。
グラント・グリーンの派手ではないが、きめの細かいギターも玄人っぽくてカッコイイ。
なぜか、ウィントン・ケリーのピアノまであまり派手さを感じないソロになっています(^_^)「ワーク・アウト」という曲のタイトルに引っ張られているのか・・。
フィリー・ジョーのドラム・ソロも“華麗”な感じではなく、けっこう“真面目”なものとなっています。
全員、この曲調に沿った感じの演奏なのだろうと思いました。
続いて、三曲目の「スモーキン」も過去のホームページで取り上げていなかったので、あらためて聞き直してみました。
こちらは、一曲目よりもモブレーのプレイは“アグレッシブ”な印象です。
音色も色々なものが登場しますが、ワイルドな感じのものが多い。
グラント・グリーンのギターも、一曲目より自由な感じで、次々とフレーズが湧き出て来るようなリラックスした雰囲気を感じます。
全体に思い切りの良い演奏が目立つ曲という感想です。
モブレーのアルバムは、他にも何枚も所有しているので、またこのブログでの複刻版で取り上げることができれば、と思っています。
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