「医者の個人生活366日/米山公啓」を読みました。
『医者の個人生活366日/米山公啓著(集英社文庫)』という本をブックオフで見つけて読んでみました。
著者の米山公啓さんは、医学博士で、専門は神経内科。
「大学病院・医者ものがたり」「医者語・ナース語」「午後の電話はぼけはじめ」「医者の半熟卵」などの著作があるお医者さんです。
今回読んだ本は、書き下ろしの文庫本で、1995年に第一刷が刊行されています。
27年も前のものですから、けっこう現在のコンプライアンス上では、やや問題ありな発言も多いのですが、でも逆にお医者さんの事情もよくわかるし、なんとなくオブラートに包んだような発言が多くて何が言いたいのかわからない本が多い昨今、もやのようなものを感じず、気持ち良く読めました。
大学病院に勤務されていたときの生活を書かれたものでしたが、研修生に教えたり、看護学校で教鞭を執ったり、論文を書いたり、この本のような著作物も書いて、さらに各地で開かれる学会への出席、講演も行なわれているし、訪問介護に出かけたり、アルバイトでいろいろな病院に出かけて行っての診察も、さらに実家の医院の手伝いもしていて、目まぐるしい仕事ぶりです。
ご自身では、あまり生き生きとした生活じゃないような書きぶりですが、読んでいるこちらには生き生きとしているように感じました。
私のように若い頃からお医者さん、病院のお世話になってきた者が、このような本を読むと、「そうか、先生は患者をこんなふうに見ているのか」と新鮮に感じました。
また、先生の側からいうと、病院にいるときの患者と医師という関係をはずれて、患者さんが家で暮らしている場に行ってみると(往診もされている)、診察室では気づかなかったその人の生活実態がわかり、ただ単に薬を投与したりしているだけでなく、その生活に合わせた対応が必要なんだと気づくこともあるようです。
タイトルどおりの、366日の“日記”として書かれているこの本は、お医者さんの実態や、気持ちが垣間見えて、興味深く読めました。
現在の“かかりつけ”のお医者さんに今度会う時の気持ちの持ちようも少し変わりそうな気がしました。いい意味でd(^_^o)
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