【南先生の玉手箱_0048_文明と緑】
私の中学時代の担任で美術の先生の現役時代の資料やメモなどの文書を掘り起こして活字化する作業。
今回掘り起こす文章は、資料として学校で配られたものの一部です。他の綴られた資料から考察すると、たぶん年代は平成17年頃なのではないかと思われます。
「文明と緑」という題が付けられていました。
以下、先生の文章です。
変わることよりも変わらないこと、新しいものよりも古いものの中、また日頃の暮らしの中で普通であたりまえを大切にしたい。
[文明と緑]
昨年の新潟地震で田舎から町中に一時避難をした学生が言っていた言葉が気になった「お世話になっているけれども町のたたずまいや人間関係の中で何か落ち着けない面を感じる」とのこと。
都会ではあたりまえになっていることでも、本当のところ心の奥深いところでお互いに私たちは大きなストレスや不安をかかえているように思うことがある。
これは医学的にもよく言われることだが、体の病気のほとんどが自然の暮らしにもどるだけで治っていくとのこと、何かわかるような気がする。
庭つくり空間の環境つくりも自然もどきではダメなんですね。
暮らしの中で語感を鍛える努力をしたいものです。
[職場の同僚から学ぶ]
1.中学校で授業中に生徒が友だちにヤーイ何とかと本人の体の気になる部分をひやかした時、そこの授業者が言った生徒を許せないことと横っ面をはり倒した。
そんな瞬間、自分は廊下を通りながら叱る大切さを学んだ。
2.うちの生徒は清掃もやらない、話を聞けないなど愚痴もどきを話した時、返ってきた言葉「そりゃあ、あんたが悪いんだよ。考え直すことだね」と。
3.出張の先生のあと、自習・監督に入っていた時のこと、途中で先生が帰ってきた。
おりしも生徒の拍手と喜びの声をを聞いて感動したと言うよりも自分は足もとにもおよばないことを知らされた。
以上の3つの出来ごとは長い教師生活の中で忘れられない体験となって時々思い出すことがある。
なかなかできないが、がんばる時の支えになっている。
以上が先生の文でした。
あらためてこの資料を読みながら活字化していくと、当時の先生としての現場の雰囲気を感じます。
その日、その時々の教師としての体験がどんどん記憶に残り、身についていたのだろうな、と思いました。
学校という場所は、先生同士と、生徒との関係もあるし、日々深い体験をされていたのだと思いました。
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