【復刻版】Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』⇒《Volume One / 1955》 Hampton Hawes Trio
十数年前に作っていたホームページ“Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』”のブログ版復刻です。
取り上げているのは、ハンプトン・ホウズのアルバム、「ハンプトン・ホウズ・トリオ・Volume One 」です。
再度聞き直して、追記も行いました。
Hampton Hawes/p
Red Mitchell/b
Chuck Thompson/ds
①I God Rhythm
②What Is This Thing Called Love
③Blues The Most
④So In Love
⑤Feelin' Fine
⑥Hamp's Blues
⑦Easy Living
⑧All The Things You Are
⑨These Foolish Things(Remind Me Of You)
⑩Carioca
ハンプトン・ホウズは進駐軍除隊後に日本に留まり、演奏活動をしていたのだそうです。
なぜか懐かしいような音の演奏に聞こえてしまうのはそのせいなのでしょうか。とても、日本人の心にうったえかけるようなものを感じるのです。
しかも、それなのにあまり湿り気を感じさせない淡々とした演奏の妙味にひかれます。
私だけかもしれませんが、この人のピアノを聞くと日本の山下洋輔氏を思い出します。
ひょっとして、氏はハンプトン・ホウズの影響を受けていたのではないかと内心思っています。
軽い感じで懐に入ってきたなと思うと、もうがっしりこちらの心まで掴んでいるような感じまで良く似ているように思います。
アップテンポの演奏などが特に良く似ていますが、バラードでも、ゆっくり入ってきて、ほらほらこっちにおいで・・というような誘いにかけるタイミングも似ています。
そして、あっさりとしたエンディングなども似ているように感じるのです。
最初は、何とはなしに聞いていても、だんだんと味わいが増してくる、そんな演奏です。
疲れているときなどにはおすすめかも・・。
〈追記〉2022/08/04
あらためて、久しぶりにこのハンプトン・ホウズのアルバムを聞き直しているところです。
偶然に、今朝の新聞に「時代の証言者」という連載があり、ピアニストの山下洋輔さんが1969年にトリオを組んで(中村誠一さん、森山威男さんと共に)フリー・ジャズをやり始めた頃のことが書かれていました。
そこには、山下さんはそれまでハンプトン・ホウズに憧れ、その影響から逃れられなかった、とあり、フリーに飛び込むことによって、そこから脱出したとの記述がありました。。
上記ホームページ複刻文章で、十数年前に私がハンプトン・ホウズのピアノを聞くと山下洋輔さんを思い出すということを書いていましたが、あながち勘違いではなかったと知り、驚きました。
私の“耳”も「捨てたもんじゃない」と…σ(^_^;)少し自信を持ちました。
そして今ホウズのこのアルバムを聞いてみると、意外と“力強い”印象を持ちました。
それにレッド・ミッチェルのベースが非常に“イキイキ”としています。
また、叙情的な曲はワンフレーズごとに余韻あるホウズのピアノが深い味わいを感じさせてくれます。
チャック・トンプソンのドラムも小気味よく、ホウズのピアノ・トリオには“持ってこい”のように感じました。
聞き返してみて、全体に昔聞いたときよりもずっと好印象でした。
今まで様々なジャズを聞いてきて、少しばかりジャズを聞く耳が育ってきたのかも・・と、うぬぼれてしまいました(^^;)
でも、まだまだ聞いていきたいジャズはたくさん、ミュージシャンもたくさんいます。
また、このホームページ複刻版で、いろいろなアルバムとミュージシャンをご紹介したいと思います。
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