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2022/09/15

【南先生の玉手箱_0050_安全第一】

20220915_minami_data_001

私の中学時代の担任で美術の先生の現役時代の資料やメモなどの文書を掘り起こして活字化する作業。
今回は、平成17年の「紙面研修」と表紙に書かれた資料の中からの抜粋です。
列車の大事故のことを書かれているので、たぶん「福知山線の脱線事故」のことについて先生がその時思われたことをまとめたものだと思います。

以下、先生の文章です。

<安全第一>

どうすればそのようになるものか目を疑いたくなるような列車事故、大惨事があった。
百名を越す死者の数。

私ごと何かあるたびに思うのですが、現代の事件や事故の多くは、被害者の不注意とはまったく反対側にある社会構造のひずみから生まれた人災であり、とりえかしがつかない犯罪でしょう。
便利さ優先、何ごともスピード化されてきた暮らしの中で時々立ち止まらなくてはいけないと思うことが多いです。

やらなければいけない仕事がある毎日のスケジュール、、そして今、目の前の仕事みんなやってあたりまえなのですが、無理が多くてはダメ。
時々気持ちをコントロールする暮しのリズム、精神面バランスを考えることが一番。

ストレスを重ねた結果はよくならない。
知識として分っていても、仕事のリズムを変えることは難しいことです。
スケジュールよりも安全が第一で、誰でも分っていることができない。

大きくは社会構造、また身近なところでは、職場の人間関係、いろんな問題が重なって事件や事故、また考えられないことが起こる。

二度とこのようなことにならないようにと各関係の者が頭を下げるが、なくなった命にスペアはない。
どうしてもとりかえしはつかないことの責任をどうするものか、何かある度に同じ状況がくりかえされている。
今回の事故も事故そのものは一瞬の出来事ですが、その原因には多くの人的環境、人と人との日頃の関係、社会や仕事を経営する者の側に大きな責任を感じるのはみなさんも同じことかと思います。

便利さ、スピード優先の暮しの裏にあぶない実態がたくさんあることに思いを寄せていきたい。
そして何よりも人の心のあり方について自ら普通の状態に正していきたいものです。

今から30年以上前、大阪万国博覧会に偶然行った時に、岡本太郎氏のあの太陽の塔は今でも残っているのですが、あの時関西の鉄道に乗った時、電車のスピードにびっくりしたのを今思い出します。

ことによると30年前からあぶない状況が続いていたのかも知れません。
人間、時にストップ・ザ・便利、立ち止まること、歩くペース、ゆっくり安全が基本ですね。

[事故と言うより犯罪だと思います お互いの立場で職場の管理、人的・物的環境衛生の点検をしたい]

※こんなことを書いている自分が毎日車を乗りまわして、歩行者、自転車など、弱者に大変迷惑をかけて暮らしている。
またガソリンを消費して自然環境も破壊している。
自分自身の暮らし方からコントロールしていきたい。


以上が先生の文でした。

あの福知山線脱線事故は衝撃的でした。
そして、スピードアップを最優先していた鉄道会社のやり方を知ることとなり、驚きました。
あれから15年以上も経っていますが、世の中の動きというものは“相変わらず”なんじゃないかと今でも思います。
いろいろな事件の発生源は、上層部の人間が自分の成績を上げようとして組織の下部にいる者に無理を強いることがほとんどではないかと思います。
それは事件が起こる度に「ご心配とご迷惑をおかけした」と頭を下げる人達が今でもやっていることです。

人として大事なのは「真心」と「正義」と「真実」です。

 

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