中島誠之助さんの「骨董掘り出し人生」を読みました。
『骨董掘り出し人生/中島誠之助著(朝日新書)』を読みました。
2007年発行となっていますので、かれこれ15年前の本です。
著者は、あの「なんでも鑑定団」の焼物を主に鑑定していたあの中島誠之助先生です。
このあいだ、伊集院静さんの本をこのブログでご紹介したときに、そこに掲載されていた短編小説二篇「少年譜 笛の音」、「親方と神様」の感想を書きましたが、中島さんの生涯は、まさに上記二篇の小説のような、幼少期から少年期の両親を失い、養子として伯父や伯母などに育てられるも、戦争の惨禍から大変な苦労をする話が書かれていました。
骨董という道に入る前の学生時代の様々なことへの挑戦と、実際に仕事をするようになってからの挫折や、その中で手を差し伸べてくれた今となっては驚きの有名人達の話、まるで小説を読んでいるかのような数奇で、波乱にとんだ人生が描かれていました。
前回の伊集院さんの小説といい、今回の中島さんの自伝的なお話も、私の今後の生き方にとって大きなものを得たように思います。
世の中は自分の思うようには出来ておらず、次から次へと困難に見舞われ、あたたかく手を差し伸べてくれる人もいれば、多くは悪い人がいて様々な苦境に陥れられ、自らの信ずるところに向かってひたすら信念を通して生きていくことがいかに大変なことか・・ということがこの中島さんの実体験的自伝をとおして描かれていました。
中島先生には、二十年も前だったでしょうか、私の職場が企画した「出張・なんでも鑑定団」においでいただき、私と妻の新婚時代に買ったお宝「野々村仁清の香盒」を鑑定していただき、見事8千円の鑑定をいただき、妻は泣き出し、そのおかけでMVPをいただいてしまい、石坂浩二さんの絵を賞品として受け取るという、悲しいんだか、嬉しいんだかわからない結果になったことがありました。
事前に、先生方との握手やサインは出場者は「厳禁」との説明を受けていましたが、泣き出した妻を見て、あとで中島先生ファンだった妻は握手をしていただき、持参した中島先生のご著書二冊に丁寧なサインまでいただいてしまいました。
今となっては、たいへんいい思い出です。
それに、京都のみやげ物という鑑定をいただいた香盒は、逆に私達夫婦の“お宝”になりました(*^_^*)
この中島先生の「骨董掘り出し人生」は、自分を勇気づけるために、今後も読み返すことになると思います。
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