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2022/09/23

【The Beatles 研究室・復刻版】Abbey Road[B-11]Her Majesty

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2004年から2008年にかけて作成したホームページ「The Beatles 研究室」・・2009年リマスター発売後の一部追記も含めてのブログにての復刻版です。ほぼ当時のまま、そして復刻後追記も付しております。
今回は、アルバム「アビー・ロード」から「ハー・マジェスティ」を取り上げます。
英国では、女王の国葬が行なわれたばかりですが、この曲は、ポールが女王陛下を歌った曲で、ギターを爪弾きながらつぶやくように歌っています。

日本では、今年「エリザベス 女王陛下の微笑み」という映画が公開されました。
女王在位70周年の祝福の年として2021年に製作されたものですが、その映像中にもポールが女王陛下と会話するシーンがありました。
そしてもちろんこの曲「ハー・マジェスティ」もラストのエンドロールで流れていました。しかもアルバム以上に長い“フルバージョン”で!

 

 

20220922_beatles_photo_data_001

“ユー・ネヴァー・ギブ・ミー・ユア・マネー”から始まるアナログ盤で言うB面3曲目からのメドレーが“ジ・エンド”の大団円を迎え、ロックミュージック史上最高の演奏を終えると20秒ほどの沈黙があり、「ズジャン!!」というコード音の後、この曲が始まります。

女王陛下に対して、「女王陛下は、なかなかプリティ・ナイスガールだ、あんまりおしゃべりは上手じゃないけど、いつか“モノ”にしてやる」という歌詞をアコースティック・ギターのつま弾きでポールがわずか23秒で歌います。

しかも最後の音はスッと絞られてしまいます。
ビートルズの数ある名アルバムの中でも、屈指の、そして空前のメドレー、名演奏のあとに、このジョークはさすがビートルズと言いたいところですし、素晴らしい演奏の余韻が残るなか、気取ったところを残さずに下卑た感じで終わらせるのも“彼ら”らしいと思いました。
サージェントペパーの最後みたいです。

この話には、後日談があって、実はこの曲、B面の“ミーン・ミスター・マスタード”と“ポリシーン・パム”の間に本来は入っていたのですが、通して聞いたポールが「これはいらないから捨てろ」と言ったことから始まりました。

「どんなクズ音源でも捨ててはならぬ」という社則を忠実に守ったエンジニアがアルバム録音テープの最後“ジ・エンド”の後に余裕をもって20秒、間隔をあけて、保存しておいたのでした。
チェック用のアセテート盤には、エンジニアも忘れてしまった「ハー・マジェスティ」が残されたままとなり、チェックしていたポールが最後に入っていたこれを聞いて「おもしろい、残そう」と言い出して、世紀の大傑作のラストにこの“冗談”が残ってしまったわけです。

ですから、“ミーン・ミスター・マスタード”の最後のコード音がそのまま、この曲の前に「ズジャン!!」と入ってしまったままになっているのです。

ビートルズはこのアルバムを女王陛下に送り(よくやるよ)、陛下からはお礼状が届いたというおまけつきです。向こうの皇室はジョークもわかってくれたようです。

そして、このアルバムは全世界で最大のセールスを記録し、マイケル・ジャクソンの“スリラー”に抜かれるまでアルバムセールスの記録を誇っていました。


〈追記〉2022/09/23

この曲についても、ホームページ作成後「アビー・ロード・アニバーサリー・エディション」が世に出て、いくつかのテイクが手に入ることとなりました。

それら音源について再度聞いてみて追記いたします。


2009年ステレオ・リマスター盤

ギター以外に楽器もなく、ものすごいサウンド・エフェクトがかかっているわけでもなく、しかも26秒(このCD)という曲の短さ!なんとも言いようがありませんが、ポールの声には割と深いエコーがかかっています。ギターの音は、繊細というか細くてシャープな感じで録られています。


アビー・ロード・アニバーサリー・エディション盤

こちらはポールのボーカルにエコーはほとんどかかっていません。生声をそのまま生かしたようです。なので逆にその場にいるような感覚になります。
ギターの音は、割と“こもり”気味というか、なにか個室で秘かに弾いているような雰囲気をねらったのか、低音の方が強調され、オリジナルバージョンの方がきれいな音に聞こえました。


アビー・ロード・アニバーサリー・エディション Disc One に収録されたもの

これは録った時の自然な音になっているように感じます。
ここでは、三つのテイクが入っています。
一つ目はオリジナル・バージョンと変わらず自然な感じ。
二つ目のテイクは冒頭間違ったり、ちょっとノドがいがらっほい感じ。
三つ目のテイクは、オリジナルでは消えてしまっている最後のギターの「ポーンッ」ていうポールのギターの締めまで入っています。
エリザベス女王の映画で使われたテイクはこのテイクか。


アビー・ロード・アニバーサリー・エディション 「セッションズ」に入っている「The Long One」
※アビーロードB面のメドレー中に本来「ハー・マジェスティ」が入っていたところに実際収めてメドレー全体を編集し直したものです・・貴重!

「ミーン・ミスター・マスタード」と「ポリシーン・パム」の間に「ハー・マジェスティ」が入っています。
もともとはこういう並びだったんですけど、“いまいち”据わりが悪いというか、居心地があまりよくないように感じました。

あの「ズジャン」というオリジナル盤の冒頭に入っていた音から始まり、なるほどここにこうして収まっていたのかとまずは納得。

で、曲の終わりは、オリジナル同様にポールのギターの“締め部分”はカットして、そのまま連続させる形で「ポリシーン・パム」が被さるように入ってくるように編集されていました。

実はこのアニバーサリー・エディションが出る前にラジオで日本のDJの方がこの部分を自分で編集して作ったメドレーを流していたのを聞いたのですが、そっちの方が「本当はこうだったんじゃないか」というくらい“鮮やか”な手際で編集されていました。
ようするに、編集によっては、このメドレー中程で「ハー・マジェスティ」が入ってくる方が良いのかも・・と思わせることも出来たということで・・。

でも、最終的判断はあのポピュラー・ミュージック史上に残るアルバムの流れで遺っているわけで、それが正解なんだと納得することにいたしました。
いたずらっぽくて、ビートルズ最後のアルバムらしいと思います。

 

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