「枕草子REMIX/酒井順子」を読みました。
『枕草子REMIX/酒井順子著(新潮社)』という本を読みました。
2002年~2003年に「波」に連載された作品に加筆訂正したもので、2004年に発行されたものです。20年前の作品ですが、ブックオフで200円にて見つけましたd( ̄  ̄)
枕草子というと、あの「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて・・」という第一段の冒頭を思い浮かべるというか・・そこしか知らない(^_^;)っていうのが一般の人だと思います。私もそう…σ(^_^;)
で、この酒井順子さんのREMIXは、枕草子の内部を読み込んでいって、現在の私達に当てはめると、こんなに身近でしかも面白く、しかも清少納言という人そのものにも興味がわいてくる・・そんな本でした。
しかも、著者・酒井順子さんと清少納言の対談(^^;)まで付いている。
枕草子の面白さは、清少納言が貴族ではあるが、その中では身分的に下の方にいて、さらに結婚を二度していて、28歳という当時としては年齢がかなり上であり、さらに本人が美人かというと、美人の枠には入らないが、不美人の枠にも入らないという微妙な立ち位置にいて、でも教養があり、身分の高い人(かっこいい貴族の男性含め)と、和歌や気の利いたやり取りが出来るという、この状態が絶妙で枕草子という「随筆集」が出来上がったということだと思います。
清少納言は、自分が時には意地悪で、時には“自慢しい”であることを自ら認め、そして自分が若くなく、美人でなく、またそう高貴な生まれでもないことも手伝って、すべてを自覚したことにより枕草子全体に漂うあの感じが出ているのだと思います。
なので、自覚の無い人を憎み、自分の立場を心得ずに似合わないことをする人や、自分を大きく見せようとする人を許すことができません。
この立ち位置で現代に随筆を書く人がいれば、当然“ウレる”んじゃないかと思います。特に女性から共感を得るのではないでしょうか。
現代語訳も付いているので、それを読みながら、まるで現在の出来事のように読む枕草子、皮肉が効いている部分や、そうだねぇ・・と納得する部分、また自然や色、音に敏感な清少納言の感性に驚きながら読了いたしました。
私が疎くて、この本の存在をうっすらとしか当時意識していなかったのですが、ブックオフで見つけ、読んでみてよかったと思いました。
またひとつ、知らなかった世界に入ることが出来ました。
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