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2022/11/16

【The Beatles 研究室・復刻版】The Beatles (White Album)[B-9]Julia

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2004年から2008年にかけて作成したホームページ「The Beatles 研究室」・・2009年リマスター発売後の一部追記も含めてのブログにての復刻版です。ほぼ当時のまま、そして復刻後追記も付しております。15年以上前の文なので細部の表現・事実についてはお見逃しください。
今回は、アルバム「The Beatles (通称:ホワイト・アルバム)」からジョンの曲「Julia(ジュリア)」を復刻してみたいと思います。
20221115_beatles_photo_data_001

ジョンが単独で録音した唯一のビートルズソングと思われます。
このアルバム収録曲の中では最後のレコーディング曲となりました。
ひっそりと行われたものだとのこと。
ボーカルはダブルトラック、ギターは2回録音されています。

インドに瞑想旅行に行った時に作られたもので、アルバム中ひとつ前の曲にあたるポールが作った「アイ・ウィル」と同時期のものになります。
しかも同じアコースティック・ギター曲。
二人の気持ちはシンクロしていたのでしょうか。
インドでドノヴァンに教わったスリーフィンガー奏法をさっそく演奏に取り入れています。

曲は、母親とヨーコへの想いを一度に歌っているような曲です。
タイトルは母親の名前、曲中の“ocean child”は、“洋子”をそのまま英語にしたものであることからも、それがわかります。

windy smile 風の微笑み, seashell eyes 貝の瞳, silent cloud 静かな雲, sleeping sand 眠る砂・・などの歌詞はジョンならではのものですが、瞑想旅行中のインドに詩のような手紙をジョン宛に送って来ていたヨーコの影響もあるかも。

「僕の言っていることの半分は無意味だけど、ジュリアあなたに聞いてほしいがゆえ」という出だしの歌詞はたいへん印象的です。
自分を捨てた母親ジュリアは、ジョンが17歳の時に交通事故で亡くなりました。
母親に言おうとしても言えなかったことや、そんな自分をやさしく認めてくれたヨーコに対する静かなつぶやきのような、問いかけのような歌です。
前曲のポールの音楽職人的な曲作りとはまた異なったアプローチです。


〈追記〉2022/11/16

では、この曲についてもホームページ作成後に様々なテイクを聞くことができるようになりましたので、私の手持ちのテイクを聞いてみたいと思います。

「アンソロジー3」に入っているテイク

ギターの爪弾きの練習に近いテイク。
ジョンのボーカルが冒頭に入っているが、そのあとはギターの音のみが生音で入っている。
途中でギターをミスして止まり、ジョンがコントロール・ルームと会話している様子が入っている。


2009年「ステレオ・リマスター」のテイク

ジョンのダブルトラックのボーカルが水の波紋のように聞こえ、とても新鮮な印象。
ギターの音はほぼ生音で、低音部分を利かせてレコーディングされているように感じる。


2009年「モノ・マスター」のテイク

ほとんどボーカルにもギターにも大げさなエフェクトが掛かっておらず、とても自然な感じ。
ステレオ版のようなギターの低音部の強調もない。
ダブルトラックのボーカルも妙なエコー感がなく、ステレオよりも聞きやすいと感じた。
かなり良いテイクだと思う。初めてこの曲を聞いてもらう人にはこのモノラル・テイクが“おすすめ”。


50周年記念盤の「イーシャー・デモ」テイク

ジョンの歌い方が少しオリジナルと異なる。
ダブルトラックのボーカルもエフェクトの掛け方が異なり、曲全体の印象も変わっているように感じる。
ジョンのボーカルは、より“ささやき”感が強い。
ギターの爪弾きは「間違ってもいい、デモだから」という感じで、力強く大胆に弾いている。なので、ミスもあるが、あまり気にならない。
ジョン以外の人の声も複数聞こえる。コーラスをどうしたらいいいか試しているように思う。口笛なども入っている。


同じく50周年記念盤の「セッションズ」に入っているテイク

ギターはコードストロークで弾かれ、「どう料理してやろうか」とジョンが探っている感じ。
「もうちょっと速くしようか」とジョンが言ってからは、スリーフィンガーでギターを弾いている。
ボーカルはささやき気味に歌われている。
やさしい感じで歌ったみたらどうか、という感じで演奏されている。


さらに50周年記念盤の「ジャイルズ・マーティン・エディション」のステレオ・リミックス

ジョンのボーカルがリアルに聞こえ、さらにダブルトラックの方のボーカルも自然に聞こえるようにミックスされている。エフェクトはかなり強く掛けていると思われるが、それが不自然には聞こえない。
曲全体のサウンドが“深い”という印象になっている。
モノ・マスターも良かったが、こちらは技術で良いテイクにした感じがする。

 

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