【南先生の玉手箱_0055_手づくり体験 二人で百七十歳】
私の中学時代の担任で美術の先生の現役時代の資料やメモなどの文書を掘り起こして活字化する作業。
今回は、平成18年1月25日の日付が入っている「らくがき №52」という通信文から活字化をいたします。
おじいちゃん二人による「凧作り教室」の話題です。
以下、先生の文章です。
<今関さん 手つくり体験 渡辺さん二人で百七十歳>
昨年に続いて松尾からおじいちゃん二人、来校。
低学年凧つくり教室があった。
簡単な凧を自分でつくるなどはちょっと前までは子どもがあそびの中で家庭や地域で普通にみられたことだが、学校にあそび教育などが入ってから、暮らしの中に手つくりの味わいや道具の使い方を知るチャンスがめっきり少なくなった。
時代の変化とは言うものの、子ども時代にあそびを通して身につくものは大きい。
暮らしの中で直接にかかわらなければ何も身につかないままに成長して、大人の時代を生きることになる。
そんな不安を時々感じながらも、子どもたちは日々喜々として楽しく学校や家庭で暮らしている。
無理にとは言わないまでも、簡単なものつくりは生きる力として誰もが欠くことのできない部分です。
お金で買えない心の耕しが今、大変重要な時代にあります。
竹ヒゴつくりから、のり付け、糸つけまで手伝ってもらってその十文字凧にみんな絵をかいて雪が残るグランドをかけまわって楽しそうなひと時でした。
また、今日のために一日一本しかできない竹トンボを本校児童全員につくって持ってきてくれた、ありがたいのひと言ではすまされないとんでもないプレゼント。
子どもたちにあげたいからと、それこそ忘れることのできない宝ものをいただいてしまいました。
※通信文の外枠にそっと書かれていた先生のひとり言・・・生まれながらにして悪人はいないが、人は育ち方、教わり方で、とんでもない奴になってしまう。今関じいちゃんのような人はそういないと思うけど、そんなじいちゃんになりたいものだ。
以上が先生の文でした。
地域の方が子どもたちにいろいろな遊びや、ものづくりを教える機会、現状はどんなことになっているのでしょう。
時代はどんどん変わってネットを利用した人との関わり方が多くなっているような気もしますが、直接お年寄りやいろいろな人と会ってお話を聞いたり、教わったりすることは今でもとても大事なことだと、あらためて思いました。
そして、南先生、「そんなじいちゃんになりたいものだ」と書かれていましたが、今、“そんなじいちゃん”になっています(^_^)
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