玉村豊男さんの「おいしいものは田舎にある」を読みました。
『おいしいものは田舎にある/玉村豊男著(中公文庫)』という本を読みました。
これもブックオフで見つけたものです。最近はほとんどブックオフの100円コーナーで掘り出したものばかり(*^^*)
単行本としては1980年代に出ていたものの文庫化です。
著者の玉村さんが、まだいろいろな地方の料理が残っている田舎へ出かけていくのですが、本の中で書かれているように昭和40年代から食べ物は全国で共通化して行くさなかにあるようでした。
どこに行っても同じハンバーガーなどが食べられるようになりつつある時代です。
でも、ここに書かれている“田舎”へ出かけてみれば、まだまだ昔ながらの郷土料理が原型をとどめている・・。
薩摩鹿児島へ「さつまあげ」をもとめて行く。
群馬下仁田に「コンニャク」をもとめて行く。
瀬戸内讃岐には「うどん」をもとめて行く。
若狭近江には「さば」をもとめて行く。
北海道には厚岸に幾層にも岩のように厚く重なった固い殻を持つ「カキ」をもとめて行く。
土佐高知には「カツオ」を、岩手三陸には「ほや」を、木曽信濃には佐久の「鯉」を、さらに秋田金沢日本海・・博多長崎・・松阪熊野・・ラストは東京まで。
もともとは「日本ふーど記」というタイトルだったもので、そのとおりの内容になっていました。
この本に書かれている日本各地の料理は、やがて変化していって「ああ、そんな料理もあったね」ということになってしまうかもしれません。
読んでみて、単に面白い食に関する本なのですが、実際には貴重な記録にもなっています。
“保存版”です。
そして玉村さんが各地で出会った人たちとのエピソードも愉快だし、そこで得た食べ物に関する知識・考察もつぶさに記されています。
味わいのある良い本でした。
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