「すすれ!麺の甲子園/椎名誠」を読んだ。
『すすれ!麺の甲子園/椎名誠著(新潮文庫)』という本を読みました。
平成20年に刊行されたものの文庫化です。
椎名さんがこの「麺の甲子園」を書いていたのは知っていました。
でもそのとき思っていたのは、全国、数ある麺(ラーメン、うどん、蕎麦、その他きしめんや糸こんにゃくまでエントリーされている)から美味しいものを探訪していくのはいいけど、そんなもん闘わせて意味があるのかな?ということでした。
予選には(一年半かけて全国の麺?を求めて走り回り、食い回っている)、もやしや、葛切り、細切りキャベツまで登場して何がなんだか、どれがどうなっているのかわからん状態もありました。
そんな中、さすが椎名さん、各地区予選をどうにかこうにかやった形にして甲子園出場麺を決めてしまいます。
一日に何杯も麺ものを食べているので、読んでいるだけでもその日の後半はつらそうだし、闘い的には“不利”になったりもしていましたが、そのうち「この本の楽しみ方は、全国にこんなにいろいろな《麺》があり、それぞれにそれぞれの味があり、お店があり、お店を営む人がいて、その地方独特の風土や味わい方があるのだ」ということを読んで楽しめはいいのだ、ということに気付きました。
椎名さんと共通して気になったのは、四国の有名なうどん屋さんがブロックに板を渡したような椅子や、オフィスごみとして捨てられたような机を使ったり、そこにある畑でネギを自分で取ってくるなどの演出があって、皆それを面白がってたくさん集まってくるのだけれど、そのうしろには“御殿”のような母屋が建っている・・それってなんだかなぁ・・ということでした。
私も現地に行ってそのようなものが目に入ると、ちょっと考えてしまうと思います。
また、行列して一時間も待ってラーメンを食べるというのは、もともとファスト・フードであるのになんだかおかしい・・ということ。
これもいつも私が感じていることです。
はっきり言ってそうまでして食べるラーメンなんてあるかなと。
試しに並んで食べてみると、普通か、普通以下であることが多いのです。店員も不愛想だったり、威張っていたりすることも多い。
もうひとつ、蕎麦屋さんですが、東京の赤坂などの高級店の蕎麦の量はいったいなんだこれは!というものが多いです。四・五回箸でたぐると食い終わってしまう。
もともと蕎麦って土地が痩せているところで、なんとか栄養が取れないかという食料だったことを考えると、そういったお店の“気取り方”がどうにも変じゃないか、と思ってしまうのです。そういった店に限ってクラッシックやジャズが流れているのも共通しています。
などと三つばかり“愚痴”っておいて(^-^;結局はこの本、楽しめました。
私が東京勤務していたときによく行った銀座insの超B級スパゲティーもエントリーされていて、椎名さんは「学生アパートのヤケクソ独身スパゲティー」と表現されていました。これまた同感!(*^^*)
麺って、身近なもので、「人が食べたらどう思うかわからんけど、ワシはおいしいけんっ!」というようなものなんじゃないでしょうか。
結論が出たところで今回の読後感はこのへんでおしまいにします。
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