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2023/02/21

【南先生の玉手箱_0058_暮らしの中で身についていたものができなくなった】

20230221_minami_data_001

私の中学時代の担任で美術の先生の現役時代の資料やメモなどの文書を掘り起こして活字化する作業。
今回は、平成15年12月17日の日付がある「らくがき」という通信文の裏面に書かれていたものです。
ひもを縛ったり、、鉛筆を削ったりするということが普段の生活からだんだん無くなってきて、普通にできなくなってきている状況について書かれている文でした。
今回はそれを活字化いたします。


以下、先生の文章です。

学校の学びの中に新しい知識や情報がたくさん入ってきている。学習の幅も広がってきた。
国際識字年などもあったように、すべての国民に平等の学びの場を与えようのスローガンの中で日本でも子どもたちは恵まれた環境の中に育っているようだが、その半面、あそびや暮らしの中で身についていた技術や基本的な動作などが暮らしの変化から体験の場が少なくなって、かなり何かが退化してきたことを具体的に目の前にすることが多い。

このことは、日常の暮らしが便利なために不便にならないと実感できないことでありますが、考えてみると大変な時代だと思います。

今の人たち、子どもたちが特にできないと言うことは、2~30年前まではごくあたりまえに暮らしの中で身についてきたものができなくなった。

五感を通して体感することが少なくなった。
具体的には、何か物をしばる、つつむ、折りたたむ、ちぎる、切る、のばす、ぞうきんをしぼる、のりをつける、ひもを結ぶなど、特に手で何かをにぎることも、つかむことも、何か変な感じだとか、必要な時に体験していないなど、気になることがありませんか。

子どもばかりではなく、私たち大人側も自分自身体感することの弱さなど気になりませんか。

暮らしの変化が影響している。靴のひもがマジックテープ型になって結ぶチャンスが少なくなった。物をきちんと集めて風呂敷に包むこともしなくなった。
便利が悪いことではないが、ものごと手を加えることが少なくなっている。

体を使わなければ不器用になるのもあたりまえ。
いろんなことができないと言う。
能力ではなく、やらないからできないのです。

この前、練習すればすぐにうまくなるよと言ったら、2~3日できれいに鉛筆をけずってきた。

早い遅いの問題をぬきにして、何かにじっくり時間をかけてゆっくりあわてずに続けてみることです。

もうずーっと前のことですが、給食に先割れスプーンが出てきてから、お箸を使わない人が多くなったとか話題になったような気もする。
このお箸ひとつ考えても立派な文化であります。

小さい時に普通に身についているべきことができないのは、本人の責任ではありません。
学校も家庭もじっくり体感させる場を大切にしていきたいものです。

ちょっとしたきっかけで、できなかったことができる。
休業中などは、そんな何かひとつ体で感じることに時間をかけたり、家庭でも勉強は机の外で幅広い生活体験をしてほしいです。

子どものうちに身につくことは山とあります。
そして大人になってからは、なかなか身につかないものです。

私ごとですが、いつも何かできないことや困ったことを思うたびに、小中学生の頃、もっとがんばっておけばよかったと思うことばかりです。

今の若い世代は知識も豊富で暮らしにも恵まれている状況の中で、自分が知っていることを暮らしの中で知恵として生きた力にしてもらいたいと思うのだが、その暮らしに生かす生きる力を身につけさせるのも大人側の暮らしぶりの魅力、生き方の影響が大かと思います。


以上が先生の文でした。

あらためて読んでみて、今はさらにそれが進行しているというか、“悪化”しているというか、手間ひまかけて細々としたことをするからこそ・・という考え方は今や死滅しようとしている・・と思いました。

このあいだラジオで聞いたのですが、「コスパ(コストパフォーマンス:費用対効果)」という私の嫌いな言葉があるのですが、今やさらに「タイパ(タイムパフォーマンス:時間対効果?)」という言葉が普通に使われているとのことでした。一聴して「バカみたい」と思いました・・。

だから映画なんて早回しして、「だいたいこんなんだった」(^^;)っていう《あらすじ》だけわかればいいみたいな、時間節約を自慢している輩もいるんだそうです。
映画館に行って、自分を小屋に幽閉して、映画と正面から向き合うという時間の余裕ある使い方が本来の「タイムパフォーマンス」なんじゃないかと私は思いました。

 

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