「笑って、泣いて、考えて。 -永六輔の尽きない話-」を読みました。
『笑って、泣いて、考えて。 -永六輔の尽きない話-/永六輔 さだまさし・聴講生(小学館)』という本を読みました。
2016年刊行の本で、これもブックオフで見つけました。
簡単に言うと、永六輔さんの記憶を辿ってもらってのテレビ草創期の貴重な話や、あの人この人誰もが知っているほとんど歴史上の人と言ってもいい人と永さんの関わり(驚くことばかり)、また永さんが見出した今となっては大スターや有名人などの発掘秘話的なものなど、永さんが病の中にあって、それを、さだまさしさんがどんどん聞いていくという本です。
ある意味、もう時間がない、時間が足らない、というような時期で、さださんも永さんの我儘なところなどにも完全に言うことを聞いて、長時間になろうが話が飛ぼうが、聞き倒しています。
それがこの本に形となって現れているというわけです。
でも、聴講半ばにして永さんは亡くなられてしまいました。
この本を読んでいて、永さんがラジオ番組で言っていたことと、ここで語られていたことがかなり食い違っていることも多々ありました。
どちらが本当のことかはもうわかりませんが、永さんは発生した事実はそのままに、その理由や登場人物も大きく変えて話されています。
事実が残ったからそれでいいのかもしれませんが、謎は残るばかりです。
永さんのすごいところは、自分が興味を持ったことや、人、いろいろな土地などにはすぐに動いて、出掛け、接触を図り、いいと思ったものはどんどんラジオその他のメディアを使って広めていくところです。
人との付き合い方もそんな感じで、どんどんその人に迫っていきます。
そして、一定の結果が出ると、スッと引いてしまいます。
まるで“飽きた”かのような素振りを見せるし、ほんとうに興味が無くなったように感じさえもする。
私がよく知っているところでは、あのマラソン解説の増田明美さん。
オリンピックの結果が散々で、帰国したときは“非国民”的な扱いを受け、失意のどん底だった増田さんを「しゃべり」が“いける”ということに活路を見出してあげて、ラジオ番組にどんどん使っていたのを思い出します。
今や、増田さんの「しゃべり」は誰にも真似できない世界を構築しています。
増田さんご自身もことあるごとに永さんへの感謝の気持ちをお話されています。
今回、聞き手となっている「さだまさし」さんも、永さんが早くから関わっていて、さださんは師匠と弟子的な関係でこの本をまとめています。
この本は、聴講半ばにして永さんの“尽きない話”は終わってしまいますが、私もまったく知らなかった敗戦直後の話などがたくさん語られていて、驚いたし、勉強になることもふんだんにありました。
続きを読みたかった・・。
« 休養中にビートルズの妄想をしました。 | トップページ | 最初は漫才師のネタかと思った。 »
「日々発見」カテゴリの記事
- 1968年~71年頃のレコード各社の月報が手元に(2023.07.23)
- 「笑って、泣いて、考えて。 -永六輔の尽きない話-」を読みました。(2023.03.24)
- 太田和彦さんの「書を置いて、街へ出よう」を読みました。(2023.03.15)
- 剪定枝チップ機を借りたら、今年度で終わりとのことでした。(2023.02.20)
- アーティスト すずきらな さんの「1年でやりたい100のコト」にならって私も「1年でやりたい77のコト」をどんどん出してみた(#^.^#)(2023.02.11)
「書籍・雑誌その2」カテゴリの記事
- 「人生ノート/美輪明宏」を読みました。(2023.12.09)
- 「京都でひっそりスピリチュアル/桜井識子」を読みました。(2023.12.05)
- 「しあわせのねだん/角田光代」を読みました。(2023.12.02)
- 「眠れぬ夜のラジオ深夜便/宇田川清江」を読みました。(2023.11.30)
- 加藤諦三先生の『どうしても「許せない」人』を読みました。(2023.11.27)
コメント