佐野洋子さんの「神も仏もありませぬ」を読みました。
『神も仏もありませぬ/佐野洋子著(筑摩書房)』を読みました。
この本は2003年に刊行されていて、帯には「そして、私は不機嫌なまま六十五歳になった」とあります。
1938年生まれの佐野さんは2010年に亡くなられています。
この本を書かれている時点では、佐野さんは北軽井沢に住まわれていて、冬になると村には佐野さん一人しか生活していなかったと書かれています。
他の住人たちは別荘として住まっていたのでしょう。
佐野さんの文にはまったく気取ったところなどなく、日々の生活、そして佐野さんのようにごくふつうに自然の中で暮らしている人達との遠慮のないお付き合いの様子などが書かれていました。
家の中にブンブン入ってくるスズメバチをそうとは知らずにハエたたきで叩き落としているうちはいいのですが、どうやら天井裏に巣がつくられたらしく、やがて刺されてしまい、でも無医村で、あちこちに助けを求める話や(^-^; 私も行ったことがある「尻焼温泉(大きな川全体が温泉になっている)」目指して出掛け、何を血迷ったか、途中の崖から温泉の川に降りて行き、怪我だらけになって温泉に入る話など、ほとんどの話が豪快かつ“ハチャメチャ”な生活の様子として描かれていました。
読んでいるこっちは、笑いながら読んだり、このひと大丈夫?と心配したり、周りの人達はなんだかんだでいい人ばかりだな、などと感心しつつ読み進みました。
天然の美味しい蜂蜜を食べたり、朝鮮人参農家からなんとか人参を手に入れ、参鶏湯を作ったり、佐野さんの生活を見ているだけで楽しい本でした。
ふだんの服装や化粧などにもまったく頓着しない佐野さんの様子も素敵でした。
ブックオフでわずか200円で手に入れた本ですが、定価の1300円分以上に楽しめた本でした。
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