「成毛眞のスティーブ・ジョブズ超解釈」を読みました。
『成毛眞のスティーブ・ジョブズ超解釈/成毛眞著(KKベストセラーズ)』という本を読みました。
10年ほど前に刊行されたものです。
著者、成毛眞氏は、株式会社アスキーからマイクロソフトに入り、代表取締役社長に、その後投資コンサルティング会社を設立しています。
この本が出た頃は、ウォルター・アイザックソンの「スティーブ・ジョブズ」の一・二巻がもの凄い勢いで売れ、さらにジョブズ関連の本が目白押し状態で出版され、どれもこれも売れていた、あの頃です。
著者はマイクロソフトの人だったわけで、前半はジョブズに対し、というか上記ジョブズの本を熱心に読んでいるやつに対し、“見込みのないやつ”扱いをしています。
ジョブズのようなクリエイティブな人間になろうとして、そんな本を読んでいる時点でクリエイティブな人間ではないと、一刀両断です。
それに、ジョブズがWindowsに対してMacの“パクリ”だなんて言っていたが、そもそもMacがゼロックスのパロアルト研究所で研究開発されていたアラン・ケイのGUIの“パクリ”なんだと、鼻で笑っています。
Mac好きな人は上記のことについては、すでに知っていることですが、でも具体的に一般ユーザーが使えるようにしたのはジョブズだし、Windowsの“そっくり度”は上下逆さまにしただけで、Macのような“ウキウキ感”“ワクワク感”のないものだったように私は感じたのですが・・。
ま、それはそれとして、iPhoneにしても「現在あるものをただうまく組み合わせただけ」で、発明と言えるようなものではないとも言っています。
でもね、iPhone以降、あるいはiTunes以降の世界は劇的に変わったんじゃないかと思うし、そんなに“ムキ”になってジョブズは実際にはたいしたことない変人だと強調しなくてもいいんじゃないかと思いました。
ようするに著者はスティーブ・ジョブズのようなクリエイティブと言われるような人を目指している段階であんたはダメ・・っていうのが一番言いたいことなのかもしれません。
冒頭の二巻になっていた「スティーブ・ジョブズ」などの本を読んでいる人(私も含め)は、ビジネス本や、啓発本として仕事の参考に読んでいるというよりは、“おとぎ話”として読んでいたんじゃないかと思います。・・たぶん。
後半は、けっこう社会で生きていく上でたいせつなことがたくさん書かれていて参考になったし、興味深く読みました。
前半も面白かったんですよ、ジョブズの見方があらためて新鮮な感じだったし。
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