諸橋昭夫先生が亡くなられたことを知りました。
Facebook友達の記事の中で諸橋昭夫先生が亡くなられたことを知り、先生の優しい表情を思い出しました。
その方の記事にも書かれていましたが、まさに『自治体の電子化において官民を繋いできた』方でした。
私は“素人”なのに情報関係の部署に異動し、職員8800人の情報系システム(メールやグルーブウエア、スケジュール管理、社内SNSなど)の構築と、さらに基幹系システム(事業活動を行うための業務システムと言えばいいのか)で使われているネットワークを情報系と統合しようという仕事をすることになり、勉強の日々でこれから先を考えると目の前が真っ暗になっているときに先生との出会いがありました。2007年のことでした。
仕事を進めるにあたり、学識経験者の意見を伺うことになり、お一人は大学教授、そしてもうひと方が行政情報研究所所長の諸橋先生でした。
川越に先生を訪ねることになったのですが、指定され、待ち合わせた意見聴取の場は、レトロで素敵な喫茶店でした。
やさしく、やわらかな物腰の先生らしい場所でした。
部下数人共々そこで美味しい珈琲をいただきながら先生の貴重で、しかも想像とは異なる現実の業務の進め方について指摘をいただきました。
厳しい意見もいただきましたが、私にはとても参考になりました。
意見聴取が終わると、「川越の街をご案内しましょう」という意外な展開にちょっと驚きましたが、小江戸川越の街並みを案内していただき、菓子屋横丁などにも寄り、さらに古い神社仏閣などもご案内いただきました。
お寺の境内に入ったときに突然の雨に見舞われると、先生は境内にある茶店に雨宿りしようと皆を呼んでくれ、そこで「ところてん」などを食べつつ雨宿りするという風流なことになったあの風景も思い出しました。
その後も先生にお聞きすることがあると、「東京駅で待ち合せましょう」と、駅構内の喫茶店などでお話させていただいたこともありました。そのときもとても親身になって相談に乗ってくださいました。
無事にネットワーク統合と情報系システム構築の仕事を終え、私は東京事務所に異動となりました。
もう情報関係、IT関係には関わりが無くなったものの、先生は私が東京で始めた地元を紹介するFacebookPageを日々見ていただいていたようで、ある日私が省庁回りで不在にしているときに事務所を訪ねて来られたそうです(そのときの上司から聞いた)。
そして、私のことを上司二人に話してくださったとのこと。
「あなた達上司は、〇〇さんの書かれているものを読んでいるのですか。読んでおられるならあの文章力に対して何も感じないのですか。よく人を見なさい。」と、言って去って行ったとのこと。
名刺をもらったのに、上司は「あの人は誰なんだ」などと私が帰社したら言ってきて、片方の上司はかつて情報部門にいたのだから先生のお名前くらいは知っていなければならないのに・・困った人達でした。
その後もさいたま市さんが企画した官民の交流会などで顔を合わせることもありましたし、私の個人のブログなどにも目を通していただいてコメントも何度もいただきました。
今でも先生独特の人と人を結びつけるあの“たたずまい”、やさしい表情、物腰が目に浮かびます。
諸橋先生、ありがとうございました。
仕事でも大変お世話になりましたが、そのほかでも教えていただいたことが多々ありました。
先生のことは忘れません。
« 「田中角栄名言集/小林吉弥」を読みました。 | トップページ | 伊集院静さんの「いろいろあった人へ」を読みました。 »
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 「京都暮らしの四季 -極楽のあまり風-/麻生圭子」を読みました。(2023.08.29)
- 「予約一名、角野卓造でございます。【京都編】」を読みました。(2023.07.11)
- 「造形あそび4人展」に出かけた。(2023.07.05)
- 横芝光町のギャラリー『笑虎』が閉められることになった。(2023.06.17)
- 諸橋昭夫先生が亡くなられたことを知りました。(2023.04.27)
「仕事で生き生き」カテゴリの記事
- 「新聞記者 司馬遼太郎/産経新聞社(著)」という本を読みました。(2023.05.23)
- 「何をしてもうまくいく人のシンプルな習慣/ジム・ドノヴァン」という本を読みました。(2023.05.20)
- 諸橋昭夫先生が亡くなられたことを知りました。(2023.04.27)
- 「島耕作も、楽じゃない。」を読みました。(2023.04.08)
- 糸井重里さんへのインタビューを中心にした「すいません、ほぼ日の経営。」を読みました。(2023.03.22)
「様々な交流」カテゴリの記事
- 伊集院静さんの「大人の男の遊び方」を読みました。(2023.08.14)
- 「造形あそび4人展」に出かけた。(2023.07.05)
- 横芝光町のギャラリー『笑虎』が閉められることになった。(2023.06.17)
- 諸橋昭夫先生が亡くなられたことを知りました。(2023.04.27)
- 『あさひの芸術祭 #あさげー』に出掛けました。(2023.04.17)
「想い出交錯」カテゴリの記事
- 1968年~71年頃のレコード各社の月報が手元に(2023.07.23)
- 「しみじみ・くすくす 小沢昭一的こころ」を読みました。(2023.07.17)
- 「ショージ君のほっと一息」を読んだ。(2023.07.14)
- 横芝光町のギャラリー『笑虎』が閉められることになった。(2023.06.17)
- 「帰りたくない!/茶木則雄」を読みました。(2023.05.28)
「建物・風景」カテゴリの記事
- 「ビゴー日本素描集」を読(見)みました。(2023.09.01)
- 「京都暮らしの四季 -極楽のあまり風-/麻生圭子」を読みました。(2023.08.29)
- 横芝光町のギャラリー『笑虎』が閉められることになった。(2023.06.17)
- 日仏共同制作の映画「アダマン号に乗って」を見てきました。(2023.04.30)
- 諸橋昭夫先生が亡くなられたことを知りました。(2023.04.27)
« 「田中角栄名言集/小林吉弥」を読みました。 | トップページ | 伊集院静さんの「いろいろあった人へ」を読みました。 »
コメント