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2023/04/25

「田中角栄名言集/小林吉弥」を読みました。

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『田中角栄名言集/小林吉弥著(幻冬舎新書)』を読みました。
珍しく古本ではありません。
以前にも田中角栄の生い立ちから政治の世界に踏み込むところや、その政治手法などについて書かれた本を読み、そのご紹介をこのブログでしたことがありますが、今回は“仕事と人生の極意”と銘打って田中角栄の「名言」を集めた本です。

首相就任時には、“今太閤”と持ち上げられ、ロッキード事件が表沙汰になると一気に奈落の底にバッシングされた田中角栄氏ですが、あれから首相もずいぶん変わり、今や歴史上の出来事、歴史上の人物となりつつあると感じます。
若い人はほとんど知らないかもしれない。教科書で日中国交正常化を達成した首相として習ったくらいしか知識がないという人も多いかもしれません。

この本を読んでみると、田中氏は小さい頃から苦労に苦労を重ねているし、境遇的に独学で勉強するしかなかったが、ものすごい勉強をしていたこともわかりました。

また、人生の恩人と言えるような人とも何人か会うことができて、その人たちから様々なことを学び、「コンピューター付ブルドーザー」なんて言われていましたが、頭脳明晰であったことは当時の田中氏を知る誰もが言っていることがわかりました。

ここでは、その名言いくつも挙げてしまうと“ネタばらし”的に本の売り上げを下げてしまいかねませんので例示はしませんが、“敵”と言える野党の議員にも心遣いの出来る人であったことがよくわかりました。
面倒をみるときには、“とことん”みていたことも人づてに聞いたことはありますが、事実だったということがこれまたよくわかりました。その数も数えきれないほどのものだということも。

今現在の政治家を見渡してみると、敵を敵としてしか見ずに、その「敵対度」はまるで抗争を繰り広げるようであり、人と人としての相対のようなものを感じることがありません。

また、スピーチや国会での討論などを聞いていても、わかりやすい人はほとんどいない。
それに魅力ある語り口を持つ人もいない。
さらにユーモアのある人も皆無といっていいくらいいない・・。

田中氏への政治的評価、人間的評価は見る人によって様々でしょうが、でも、この名言集を読むと、まれにみる人物であったと思いました。

野党と渡り合う時でも、国民に語りかける時でも、もっと心に訴えかけてくる人が現れてくれないかな、などと思いつつ読了。
それにしても今回の統一地方選の投票率の低さにはがっかりしました。
もっと投票率が上がれば、きっと人々に自分の考えを訴えてみよう、語りかけてみようと思う志のある人が現れてくれるんじゃないでしょうか。

 

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