日仏共同制作の映画「アダマン号に乗って」を見てきました。
映画『アダマン号に乗って(Sur L'Adamant)/2022年 フランス・日本 監督:ニコラ・フィリベール [ドキュメンタリー]』という映画を見てきました。
本年度のベルリン国際映画祭金熊賞<最高賞>を受賞した作品でした。
地味で良い映画はやはり大手のシネコンなどには掛からないのか、千葉劇場で見られるようになっていました。チケットを買ったらこの映画の鑑賞記念カードをいただきました。些細なことですがうれしいものです。
“まさか”の金熊賞受賞だったらしく、内容はパリのセーヌ川に浮かぶ船のデイケアセンターに毎日いろいろな人たちがやってきて、創造的な活動などを行う、その様子をドキュメンタリーとして捉えたものでした。大掛かりな仕掛けやストーリーはありません。
精神疾患のある人々を無料で迎え入れ、即興コンサートや、色とりどりの絵を描いたり、船内にカフェを開きお客さんのお気に入りのカップにコーヒーを淹れるなど、小さくてもいろいろな活動を通じて社会とつながりを持てるようにサポートしているのが「アダマン号」です。
この映画を見ていると、監督が『アダマン号の日々』をやさしく、そっと見ていることがわかります。
映像に生き生きと残されたアダマン号での人々の表情、語らいがその人たちの心の底にある部分にふわっと触れているような感じを持ちました。
社会的マイノリティーとされる存在との共存、その価値、それらをまったくあたりまえのものとして、とてもやさしい眼差しで捉えている作品だと思いました。
現代社会を見つめるその視線は、私にもとても参考になりました。
まだ上映が開始されてから間もないので、気になられた方はご覧になられるとよいと思います。人としての自分の立ち位置が少し“修正”されたような気になるかもしれません。
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