昨日、映画「午前4時にパリの夜は明ける」を見てきました。
映画『午前4時にパリの夜は明ける(LES PASSAGERS DE LA NUIT)/2022年 フランス 監督・脚本:ミカエル・アース 出演:シャルロット・ゲンズブール、キト・レイヨン=リシュテル、ノエ・アビタ、メーガン・ノータム、エマニュエル・ベアール』を見てきました。
フランスの映画で、時代背景は1980年代、その時代の雰囲気が出るようにミッテラン大統領の勝利のシーンや、そのときのヒット曲が流れたり、人気のあった映画、俳優のこともうまく映画の中に入って馴染み、さらにこの映画自体の画質もわざとこのデジタル時代の画質を粒子を荒くしたりして、80年代の懐かしい風合い、色合いの画面になっていました。
フランスの人には、その時代を彷彿とさせるものになっているのだと思います。
物語は離婚したばかりで、娘と息子がいる母のこれからの生活、人生に不安を抱えている状況から始まりました。
なんとか深夜のラジオ局での電話取次の仕事をやっとのことで得たのですが、その仕事帰りの明け方に、行くあてのない少女を見つけて連れ帰り、奇妙な4人の生活が始まります。
派手な事件、事故、その他強烈な展開は無いものの、4人がそれぞれの立場で悩みや苦しみなどを抱え、それでもなんとか生きていく様子が描かれていました。
見ていて、これは日本で生活している私のような家族も同じだと感じました。
何気ない日常に、次々と様々な問題が発生して、でも家族はどことなくそれを感じ、励ましあったり、喧嘩してでもなんらかの解決を見出し、さらにそれぞれがそれぞれの恋愛をしたりする・・。
冒頭のシーンから数年後のシーンが後半出てくるのですが、4人が各自自分の人生の方向性を見出しかけているところで、一緒に“和気あいあい”とする場面があり(あのとき連れ帰られた少女も大人になり、血のつながりが無くとも家族のようにその中に入っている)、まだまだ不安要素や、これから頑張らねばならないことが眼前に広がっているけれど、でも家族、親子、友というものはいいものだとしみじみとしたのでした。
劇的な展開などは他の映画と比べてほとんど無いのですが、でもフランス映画らしく「完全決着のないストーリー」は、むしろこの映画を味わい深いものにしていました。
ここ数年、なかなか映画館にも足を運びずらい環境でしたが、今回も意を決して行ってみて、よかったと思いました。
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