【南先生の玉手箱_0059_坂〇苑交流会に参加して】
私の中学時代の担任で美術の先生の現役時代の資料やメモなどの文書を掘り起こして活字化する作業。
今回は平成17年12月9日の日付が入った当時の通信文を活字化します。
先生が当時勤務されていた学校は春・秋の二回、学年を分けて施設を訪ね、お年寄りとの交流をされていたようです。
それについての文章を見つけましたので、読んでみようと思いました。
以下、先生の文章です。
《坂〇苑交流会に参加して》
春と秋、学年を分けてお年寄りのみなさんと児童の交流を持つ。
今年も一緒に参加をして、私ごと、昨年お会いしたおばあさんのところに一年ぶりにおじゃまをした。
昨年のことを覚えていてくれた。
子どもはいいねえとの話から、偶然だが、戦争のことや平和や命の大切さに触れて昔を思い出しながらひと時いろんなお話をしてくれた。
毎日思ったこと、あったことなど素直な気持ちで書き続けている日記、続けるということ、私などなかなかできない。三日坊主のまま年を重ねてきた。
今からでもまた日記はじめたいと思った。
昨年の交流会のこと、部屋に来てくれた大総っ子の二名、名前も書いてあった。
昔をふりかえって今の子どもたちには分からないだろうけど、今は豊かで平和ないい時代だ。
食べるものや買うものもがまんした60年前の暮らしの中で、あと少しで戦争が終わる時に、自分の子を戦争でなくしたこと、日本中の男の人がたくさんなくなった時代に国民のひとりとしてたくさんの苦労をしてきたおばあさんのいろんなお話を大総っ子がどんな気持ちで聞いただろうか。
少しの時間ではあったけれども、今日の体験がどこか心の一部に残ってくれることを願う者であります。
豊かな時代にこの施設に暮らすさみしさも語ってくれました。
[みんなが食堂に集まって小さな舞台の上で大総っ子が歌や踊りを精一杯発表した。
お年寄りのみなさんが見てくれて拍手をくれて、子どもはいいよね~となごやかでいい顔をしてくれた交流会場でのひと時。
舞台の上でまたあいさつの態度やお年寄りのみなさんへの心くばりなど大総っ子がそれぞれ今年の成長ぶりを見せていた。
今日は交流を通しての勉強のひと時だが、老いも若きもみんなお互いの世代が持つ良さがぶつかり合う今の時代に大きな課題でもあるたくさん地域や学校でかかわることのひとつの体験日だった。]
以上が先生の文でした。
戦争を知っている人から話を聞くということが、もうかなり難しくなってきました。
最近聞いた話ですが、タモリさんが黒柳徹子さんから「今、どんな時代なんでしょう」と聞かれ「新しい戦前が始まっている」と答えたとのこと。
私もなんだかうすら寒い気持ちになりました。
あまりにも政府や政治家の話や動きに無頓着。
もっと敏感に反応しなければならないことが日々伝わってきますが、あきれるほど無関心な多くの国民。
その間に国会での議論を経ずに着々と戦争を経験したことのない人間が戦争の準備をしていると・・私も感じています。
それについては、このカテゴリーではないところで、ブログに書きたいと思っています。
今回は、お年寄りと子どもたちの交流についての文章活字化でした。
この作業、まだ続けます。
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