「日本を腐らせたいかがわしい人々/適菜収」を読みました。
『日本を腐らせたいかがわしい人々/適菜収著(ワニブックスPLUS新書)』という本を見つけて読みました。
最初に申し上げておきますが、私はこの著者をこの本を書店で見つけるまで存じ上げませんでした。
なぜこんなことを冒頭に書くかというと、このブログを読んだ人や、Facebookなど SNS 経由でこの文を読んだ人から「お前はこんなやつの書いた本を読む人間か?!」などというコメントが入ったりするからです。
私は、初めてお名前を知る人でも、いつも嫌いだと思っている人でも、好きな人でも、本は色々読みます。読まなければその人が何を言いたいのか、言おうとしているのかわからないからです。
なので、たとえ嫌いな人でもその人が何を言いたいのか知ろうとして本は何冊でも読みます。
今回はまったく存じ上げない著者ですが、本のタイトルや帯に書かれているセンセーショナルに見える宣伝文句を見て「読んでみよう」と思ったので読んでおります。
まずは、それをはっきりさせた上で読後感を書いてみます。
ひとつは安倍元首相が山上哲也という犯人に銃撃されたことについてですが、この本で言っている“いかがわしい”と思われる人からよく聞くのは「山上容疑者を英雄視する人が多くいる」という指摘です。でも、そんなこと言っている人なんて私は一人も知らない。
犯罪は犯罪で、罪人は罪人です。
この本が言っているように事件の原因は「家族を破壊した統一教会に対する私怨」だと思うのです。政治的テロだとか、民主主義への挑戦だとかというのとは異なるものだと感じています。
テレビなどの報道を見聞きしていても、「統一教会の話題はもうやめようよ」という人がたくさんいたし、宗教の自由の問題にしようとしている人もたくさんいました。
それらの人たちの発言をこの本では取り上げて“いかがわしさ”の論拠を示していました。
LGBTの問題についても、あの総務大臣政務官を辞めたあの人の発言を拾っていますが、「国が自治体などに少子化対策、子育て支援に予算をつけるのは、生産性を重視しているからで、生産性のあるものとないものを同列に扱うのは無理がある。これは差別ではなく、区別である。このままでは被害者ビジネスに骨の髄までしゃぶられてしまう。」というのがその最たるもので、このような人を抜擢した人たちについても“いかがわしい”人として書かれていました。
また性暴力被害を公表した被害者に対しても、その被害者への中傷投稿に二十五回も「いいね」を押しているという・・(東京高裁で有罪判決が出ている)。
この本では、上記の政務官を辞めた人などは“トカゲのしっぽ”です。
次から次へと現行の政治家達、あやしいコメンテーターなどの名が“いかがわしい人”として挙げられています。根拠を示して。
こういう本を読むのもいいと思いました。
ほとんどのメディアは腰が引けていて、しかもなんとかしてWBCや大谷選手の活躍報道などを増やして風化させようとしているかのように日々過去の問題となったことについての報道が少なくなっているからです。私だって“浮かれて”忘れてしまいそうです。忘れちゃいけないんですけど。
ということで、本屋さんで見かけたらちょっとだけ、誰の項でもいいからチラッと見てみるといいと思います。
そうだよなぁ、あの人、こんなこと言ってたけど、この発言は無理があるとか、空っとぼけているなどと思い出すと思います。
とりあえず読後感はこのくらいにしておきます。
何か言いたいことがある人については、コメント不要です。
ご自分のブログやその他SNSで持論を発表なさってください。
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