映画「銀河鉄道の父」を見てきました。
映画『銀河鉄道の父/2023年 日本 監督:成島出 原作:門井慶喜 出演:役所広司、菅田将暉、森七菜、豊田裕大、田中泯、坂井真紀』を見てきました。今日が上映初日でした。
原作となった門井慶喜さんの「銀河鉄道の父」は、直木賞受賞作ですが、私はまだ読んでいない作品で、この映画で初めて作品にふれることになりました。
で、見てよかったです。
ほんとうに映画らしい映画でした。セットもロケ地も撮影も(ランプの灯りの下での撮影がかなりあったが実に画像がよかった)、多くの人が参列する葬儀・火葬のシーンも素晴らしくよかった。
存命中は作品の評価がまだなされていなく、自分というものは何者だという状態の宮沢賢治の苦悩と生き方を演じた菅田将暉さんは、もう賢治が憑依しているのかと感じるくらいの演技でした。
また、賢治の父を演じた役所広司さんも父としての威厳と、自分には理解できない賢治の行動に“うろたえ”たり、実は賢治の作品に感動している状態でもある複雑な存在である役どころをベテランらしく見事に演じていました。もう、驚くくらい。
また、賢治の妹・トシを演じた森七菜さんも、たぶん苦労されたであろうことは想像されますが、心打つ演技を見せてくれました。
亡くなるシーンではもう私は涙がこぼれ、我慢できなくなりました。
庭に降る雪の美しさが、より哀しさを増しました。
賢治が亡くなるシーンは、原作とは大きく異なったものになっていたそうですが、菅田さん、役所さんの迫真の演技に私の涙の在庫が一挙放出されました。
周囲でもすすり泣きの声が聞こえていました。
役所さん(賢治の父)が菅田さん(賢治)の手を取り、「雨にも負けず」を暗唱するところは、監督が最後までこれでいいのか迷ったシーンらしかったのですが、最高のシーンになっていました。
また、これも原作には無かったそうですが、亡くなった賢治とトシが乗っている汽車に父である役所さんが乗り込んできて、親子ではないような会話をするファンタジーなシーンが挿入されていて、これもとても良かったと思いました。
いい映画を見られて幸せな気分になりました。
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