【南先生の玉手箱_0060_子ども時代にたくさんかかわること】
私の中学時代の担任で美術の先生の現役時代の資料やメモなどの文書を掘り起こして活字化する作業。
まだまだ続けますよ(*^^*)
今回は、平成17年11月に学校の通信文の裏面に書かれていた文章を活字化してみます。
以下、先生の文章です。
《子ども時代にたくさんかかわること》
図工、美術の研究会に参加して、いろんなお話しがあった。
子ども時代にあそびの中から学ぶ、身につくことは多い。ちょっと前までは、子どもは地域に広くみんなで普通にあそんだり、ものをつくったり、子どもの暮らしの中で道具の使い方や人間とのかかわり方など身につけて成長してきた。
今の子どもや若者がダメと言う言葉を聞くこともあるが、環境と関係が大きく変わった。
あそびを(造形あそび)とか言って、学校の授業に入ってきた車社会、不審者問題などから危機管理、安全指導のわくも多く学校の勉強や活動の中に指導の場面が多くなった。
大人社会が連携をとりながら望ましい子育て教育の方向性をさぐって新しい方針も出されるが本当のところどうなんだろうか。
毎日の学校に楽しく登校して嬉々として活動、感動を伝えてくれている目の前の子どもたちの表面を見ていると、大丈夫と思うことが多い中で、確かにものをつくる道具を使う力、集団で考える、また自分の気持ちでしっかり考えて行動するなど、子どもなりに身についているべきこと、大人になる準備として日常の言動を観察してみると、心配な面も多い。
図工、美術に限らず、すべての面において体験、体感、他人と多くかかわる面でそのチャンス、暮らしの場面が大きく変わった中に子どもが居る。
大人社会が子どもの生活環境をつくる。環境が人を育てる。図工や美術の時間が少なくなったと言っても、造形活動の場は限りなく広く暮らしの中にあるはずです。
先生方、毎日子供と共に楽しく表現や感動、体験を積み上げていってください。
できないじゃなくて、自分に必要な基礎・基本を知らないからできない。
※[研究大会図工の授業、造形活動の中で小学校の展開を見せてもらいましたが、みんないい顔、楽しくとりくんでいました。
子どもの可能性に対して大人側のかかわりが課題。
基本はいつの時代もそう変わらないものです。]
以上が先生の文でした。
相変わらずの中心からぐるぐる回る、目の回る文字の解読と、さらに句読点なし、改行無しの文章の活字化はものすごく大変でしたが、なんとか、たぶんこうだろうというところでアップしようと思います。
当時の先生の文を読んでいると、子どもの様々な遊びや活動の中で道具を使ったりする経験が乏しくなっている様子が感じられました。
また、学校としてやらねばならない仕事の中に社会的な事件に伴う危機管理なども入ってきて、ちょうどそういうことが問題となってきた頃だと思いますので、苦労が増えてきたんだろうな、大変だっただろうな、と思いました。
今となっては、もう学校だけでなく、社会全体が自らの通常の仕事以外に心配りしなければならないことが増えているように感じます。
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