永六輔さんの「老い方、六輔の。」という本を読みました。
『老い方、六輔の。/永六輔 構成・矢崎泰久(飛鳥新社)』という本を読みました。
平成16年発行のこの本は、永さんとはあの「遠くへ行きたい」という有名なテレビ番組の時代から付き合いがあった「話の特集」編集長の矢崎泰久氏がインタビュー形式でまとめたものとなっています。
読んでみたら、けっこう内容は“濃い”ものでした。
永さんが幼かった頃に病弱で学校に行けず、病院で過ごしていた頃から始まり、その後の疎開先でのいじめを受けたことについて、様々な時代を経て、やがて奥さんを看取ったことから「死」を考えることになり、「死」についても多くの頁を割いて書かれています。
そして今度は自分が亡くなるまでをどう生きるか、どう死ぬか、までを永さんらしくどんどん語って行きます。
また、言葉についての発言も多く、言葉に込める思いが手紙・葉書となって毎日ラジオのリスナーや手紙をくれる人達への年間何万通にもなる「心の通い」となって投函している話も出てきます。
近年、手紙の配達は土日が休みとなり、その週に相手方に手紙が届くようにするには水曜日までに投函せねばならなくなりました。
手紙というものが郵便事業の一番たいせつなものなんじゃないか、と日頃思っていた私には、もう紙に書いた「言葉」はそんなに大事なものではなくなってしまったのだな、とがっかりしていた矢先に、上記の永さんの日々手紙を書くお話しを読んで、・・大事なことだったんだよな、としみじみ思うことになりました。
永さんと言えば旅の話も、もちろん書かれていました。
日本全国いろいろなところに行っていますが、家に帰るのは“旅の合間”だったらしく(^^;)奥さんにはたまに会うみたいなことだったらしいです・・ちょっと信じられませんが、旅先から奥さんには葉書を送っていたとのこと。
旅先か家か、どっちが生活の根拠かわかりません(^-^;
で、奥さんが亡くなられてからも、旅先から奥さんあてに葉書を出していたとのこと。
それを自分が帰宅したときに郵便受けから受け取るわけですが・・どんな気持ちなんだろう。
と、あれこれ書いてしまいましたが、最後には“かかりつけ医”の大事なこと、どういうふうにお医者さんと付き合うか、なども書かれていましたし、自分の具体的な最後についても淡々と書かれていました。
私にもいろいろと心に残る部分がありました。
永さんの本、まだまだストックがありますので、また読みましたら読後感を載せようと思っています。
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