宝塚歌劇・雪組東京公演「Lilac の夢路/ジュエル・ド・パリ!!」を観てきました。
宝塚歌劇・雪組東京公演『Lilac の夢路(ミュージカル・ロマン)/ジュエル・ド・パリ(ファッシネイト・レビュー)』を観てきました。
この公演は、雪組の新しいトップ娘役の夢白あや(ゆめしろ・あや)さんの東京宝塚劇場お披露目公演となります。
演目は、ミュージカルの「Lilac の夢路」とレビューの「ジュエル・ド・パリ!!」です。
「Lilacの夢路」は、19世紀初頭のドイツが舞台。
騎士道の精神を受け継ぐドロイゼン家の兄弟の物語なのですが、長男はトップの彩風咲奈(あやかぜ・さきな)さんが演じます。
新しい産業である鉄道産業を発展させることを夢み、五人兄弟がそれぞれの分野で一定の地位を築いていく中で力を合わせることによって事業を成功させようとするストーリーです。
兄弟それぞれが自分の仕事や健康、女性との関係などで悩み、人の苦悩とその中で夢を実現していくことの大切さなどが描かれていましたが、物語の中でやがて主人公の恋人となる新トップ娘役の夢白あやさん、快活で、でも当時の女性の社会での処遇に悩む複雑な女心をうまく演じていました。滑舌もよく、歌もきりっとしていてとても良いと思いました。
主演、彩風さんは宝塚各組トップの中でも独特の存在感がありますが、ますますそれが磨かれてきたように思います。
誰もが応援したくなる真っすぐで男らしいが、時に繊細なところを見せてくれる独自キャラ、容貌の美しさも加えて、もう堂々と新しい“彩風スタイル”の雪組を創り上げてきたと感じました。
それを支える朝美絢(あさみ・じゅん)さんは、これまた男役ながら眼も醒めるような美しさで兄となる彩風さんを支えながら、でも嫉妬してしまう役どころを大人の演技で魅せてくれました。
さらに和希そら(かずき・そら)さんの男気がありながらも心根のやさしい和希さんそのものともいえる人柄を堂々と、そして繊細に演じられていました。もう雪組には欠かせない存在になりつつあります。
専科からの美穂圭子(みほ・けいこ)さんは、謎のストーリー・テラー的な役割を歌を主体に演じてくれて、さすがの説得力ある歌唱を聞かせてくれました。
ストーリー展開にまったくスキがなく、常にドキドキしたり、わくわくして希望を感じたり、恋の展開にこちらも悩ましくなったり、苦難を乗り越えてのラストシーンにも喜びがこみ上げ、満点の舞台でした。
ショーは、雪組の組子たちを「宝石」に見立てた美しいパリのレビュー。
ここでもトップコンビは美しさと煌びやかさ、歌唱もバッチリで、豪華で素敵なレビューとなっていました。
そこにきて、朝美絢さんはパリの雰囲気横溢な身のこなしと、歌唱をキメて、雪組は盤石状態でした。
そして、ダンスでグングン雪組を引っ張っていく和希そらさん。
ショーではその存在感が一段と増していました。
最初から最後まで次々と展開される圧倒的なレビュー、心ゆくまで堪能いたしました。
こちらでも美穂圭子さんの歌唱がフィーチャリングされ、より格調高いショーとなり、全体を見渡しても、いわゆる“中詰め”が何回あるんだろう、と思うほど随所で盛り上がり、こちらもミュージカルとともに満点の出来だったと思います。
いいもの見せてもらいました(#^.^#)
« あのカードについて普通の人間でもこれくらいは心配する | トップページ | 永六輔さんの「老い方、六輔の。」という本を読みました。 »
「宝塚」カテゴリの記事
- 宝塚歌劇を長いこと見てきたという人に会った。(2024.08.14)
- 俳句を詠んでみる_0138《宝塚俳句[ミュージカル Me & My Girl に登場した弁護士役 未沙のえる さんの名演に捧げる]》【 お屋敷の弁護士 胸に薔薇ひとつ 】(2024.06.21)
- 俳句を詠んでみる_0132《宝塚俳句[※個人的な思いで創った句です。宝塚歌劇団、元花組娘役 青柳有紀さんに捧げる]》【 緑さす とどけ ナーヴの ボーイソプラノ 】(2024.06.15)
- 俳句を詠んでみる_0126《宝塚俳句[ミュージカル、「エリザベート」で宝塚歌劇に新たな一頁を加えた一路真輝さんを詠む]》【 一路真輝 蝦蛄葉仙人掌(しゃこばさぼてん) 黄泉(よみ)の国 】(2024.06.09)
- 俳句を詠んでみる_0120《宝塚俳句》【 大晦日(おおみそか) 幻のアーニーパイル 】(2024.06.03)
« あのカードについて普通の人間でもこれくらいは心配する | トップページ | 永六輔さんの「老い方、六輔の。」という本を読みました。 »
コメント