あのカードについて普通の人間でもこれくらいは心配する
新聞を見たら、内閣の支持率が急落しているそうです。
その大きな理由のひとつには、毎日報告されているマイナンバーシステムの不具合があるでしょう。
私のような一市民でもちょっと想像しただけで様々な不安を感じる事象が発生しています。
顔認証を使っている医療窓口の方々が事前に顔認証のシステムを自分達のカードで試したら別人でも入れてしまったとのこと。これじゃカードの意味がないし、投薬や医療・医師の判断が間違えたり、大きな混乱を今後招くことになりかねません。
口座の紐づけが別人に紐づけされた事象が多発しています。
現状のシステムでは、口座紐づけは誰の口座でも入力できてしまいます。
それは氏名のフリガナについてデータを保有していないからです。突合ができないのです。
住民票については、整理上必ず出生届時にフリガナが登録されているのだから、それを元々利用すればよかったのに、そんなことも考慮されていないということは、まったくシステム当初からやる気がなかったことがわかります。
ということで、今のままでは、自治体等からの給付金が別人に振り込まれてしまう事態も発生してしまいます。
ポイント付与についても別人に付与されているケースが多発しています。
論外です!
漢字氏名についても、「邊」など何種類かある文字については代替文字を使用している上にその処理は自治体窓口で手作業で行っている。住所についても統一した文字の取り扱いが出来ておらず、様々な不具合が発生していることが報道されています。
「世帯」についてのデータも保有していないので、誰と誰が同じ世帯に住んでいるかわからないし、当然「世帯主との続き柄」についても把握していないので、夫や妻、子、父母など関係性がわからないので、個人のみのデータしか保持しない現行システムは、各種給付についても利用するデータが少なく、“デクの棒”状態です。
病院等医療機関ではカードを使った認証さえ出来ずに支払が10割になってしまった人がいる。
これじゃ医療機関は受付だけで大変な時間と労力が掛かってしまう。
さらに別人の保険証に紐づけされた人が多発している。他人の病状が見えてしまったり、間違った投薬が行われる可能性まで出てきました。
窓口には「なるべく保険証もお持ちください」と書かれた貼り紙・・泣けてきます。
年金記録が別人と紐づけされて他人の年金情報が見えてしまう現象も発生しています。
こんなこと考えられないが、それを言っただけで怒り出すマイナンバー信者がいるので間違いを間違いと言えない空気も出てきました。次から次へと問題が出てくるので、対応できなくて“逆ギレ”するのです。手に負えない。
マイナンバーカードを持っていない人の方が住所異動等の手続きは何倍も早いという現状についての報道も無い。メディア側にもいろいろな忖度があるのか。
マイナンバーカード署名用電子証明書の有効期限は、カードそのものの有効期限である10年ではありません。
半分の5年なので、その時点で役所に更新に行かねばならない。
これも知っている人は案外少ないのではないでしょうか。
もうちょっと詳しくいうと
カード取得時には以下4つのパスワードを設定し、覚えなければならない。
①署名用電子証明書暗証番号(数字とアルファベット混じりで6桁~16桁)インターネットで電子文書を送信する際、文書が改ざんされていないかを確認するためのもので、電子申請(e-Tax等)、民間オンライン取引等に利用する。
②利用者証明書電子証明書暗証番号(4桁)インターネットを閲覧する際に利用者本人であることを証明するためのもので、コンビニ交付サービスの利用、行政のWebサイト(マイナポータル)民間のWebサイト(オンラインバンキング)等へのログインに利用する。
③住民基本台帳用暗唱番号(4桁)住民票コードをテキストデータとして利用するための暗唱番号で、住所変更、氏名変更の際にカード情報を更新する際に利用します。
・・もうわかんなくなってきたでしょ。
④券面事項入力補助用暗唱番号(4桁)個人番号や基本4情報を確認し、テキストデータとして利用するための暗証番号で、パソコンで個人番号や氏名住所を確認するためのに使用(勤め先など)するものです。
これらを決めて、それぞれの利用機会に入力が必要となります。
・・正気の沙汰ではないと思いませんか。いい大学を出た役人が考えるとこんなになります。このくらい覚えとけってことか。
これだけ、いろいろ自分で設定させられたにもかかわらず・・・
住民票等の証明が他人のものが発行されてしまう不具合が出た。
登録廃止した印鑑証明が発行されてしまった。
などの考えられないことが起こっています。
今、巷で心配されているのは、口座の紐づけから辿られて口座の凍結、強制的な徴税などがあるのではないかなどということ。ちょっと怖いです。
マイナンバーの規約上は政府は勝手に個人の情報をのぞいて良いと正式に謳っているので、人の懐をあてにした投資の勧めなどもされてしまうのでは、と言っている人もいる。
さらに、これも正式に謳われているが、マイナンバーシステムの不具合により生じた損害については、一切補償しないと声高らかに言っていますので、もうやり放題です。
マイナポイントを貰った人たちは自分の個人情報を2万円で売り払ったわけです。ご愁傷さま。
もっと気になることを言っておきますか。
運転免許証は本人確認によく使われるが、マイナンバーカードと一本化すると、現在カード券面から顔写真や氏名・住所・生年月日・性別の内いくつかを見えなくしようと検討しているので・・それによってカードのみで本人確認が出来なくなります、たぶん。
ついでに免許証の更新時期とマイナンバーカードの更新時期の差をどうするのか、二回別々に更新に出掛けるのか。
券面からの情報が少なくなった場合、交通取り締まりの警察の担当者はカードの読み込み装置をいつも持って歩くのか。
そもそも運転免許証を持っていなくて本人確認に使えるものがないと困っている人にはマイナンバーカードはもってこいですよ、というキャッチフレーズ自体が意味の無かったことになってしまいます。
現在でも携帯電話の通信網や、インターネットの通信網など予期せぬ停止が発生しているが、マイナンバーシステムの通信網が停止した場合、病院も警察も、さらにその他紐づけしようとしているシステムを利用しているサービスが日本中で停止してしまい、社会の機能が麻痺してしまうが、その際の緊急対応をどうするのか。考えていないだろうなぁ・・。
最後に、マイナンバーシステムがハッキングを受けた場合、あらゆるものが紐づけされていると、これまた日本中の機能が停止してしまうのではないでしょうか。
そういったセキュリティーについて十分対応をしているとはとても思えません。
システムは個々にバラバラに存在して活かしておいた方が安全ではありませんか。
以上がちょっと5分ほど頭の中で想像したことです。
単なる一老人市民でもこれだけ考えられますし、心配しています。
総点検をする部署をつくったと大威張りしている首相、大臣他関係者・・・点検しても新たな不具合が発見されていくだけで、それをいくら修正していっても、不具合が出ている原因の改修作業にはなりません。
一旦システムを停止して、根本的な改修方法を検討するのが一番大事だと一市民の私でも考えます。
どこまでお偉い人たちは考えているのでしょうか。
ほんとうに不具合、事故の報道を聞くと暗澹たる気分になります。
« 「文豪の凄い語彙力」を読みました。 | トップページ | 宝塚歌劇・雪組東京公演「Lilac の夢路/ジュエル・ド・パリ!!」を観てきました。 »
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 「夏彦の写真コラム傑作選 1 」を読んだ。(2023.09.08)
- マイナンバーカード返納する人が増えてわかったこと(2023.07.13)
- あのカードについて普通の人間でもこれくらいは心配する(2023.06.26)
- 「アガワ流 生きるピント」を読みました。(2023.06.18)
- ポンコツだけど怖ろしいカード(2023.06.14)
「社会の出来事」カテゴリの記事
- 下重暁子さんの「自分勝手で生きなさい」を読みました。(2023.11.12)
- 椎名誠さんの「下駄でカラコロ朝がえり -ナマコのからえばり 5-」を読みました。(2023.11.09)
- 「泣いたの、バレた?/酒井順子」を読みました。(2023.10.29)
- 映画「ロスト・キング 500年越しの運命」を見てきました。(2023.09.29)
- 「ラジオ深夜便 新 珠玉のことば ~ラジオが教えてくれた名言100~」を読んでみました。(2023.08.21)
最近のコメント