「墜落!の瞬間 -ボイス・レコーダーが語る真実-/マルコム・マクファーソン」という本を読みました。
『墜落!の瞬間<THE BLACK BOX> -ボイス・レコーダーが語る真実-/マルコム・マクファーソン[編著]山本光伸[訳](ヴィレッジブックス)』という本をブックオフで見つけ、読んでみました。
要するに記録資料として残されている旅客機等のボイス・レコーダーの音声を聞いて、今までに起こった航空機事故の真実の様子をまとめたものです。
28件の事故についてボイス・レコーダーの音声を文字に起こしているのですが、その中にはあの日本航空123便(御巣鷹山にジャンボ・ジェットが衝突したあの事故です)の事故記録も入っていました。
様々な事故の様子について読めば読むほど個々の事故原因はそれぞれがそれぞれに異なっていることに驚きました。
飛行機を“洗機”して、そのとき計器にデータを送るセンサー部をマスキングして行い、洗った後にそれを外し忘れ、翌日の離陸前の外観点検でもチェックがもれてしまい、離陸後に計器が全滅、速度も高度も方向も乗員は把握することなく最後まで努力するのですが、墜落、というような気の毒な事故もありました。
着陸前に乱気流が一定の高度で発生していると、管制から連絡があり、十分に注意して着陸態勢に入ろうとしたにもかかわらず、ダウンバーストのような急激な乱気流で墜落してしまった事故。
機長、副操縦士、客室乗務員、皆がリラックスして安定した航行をしていたのに、突然エンジンが壊れ、落下、残りのエンジンも不調を来すという最悪の状態に陥り、機内が地獄のような様相になってしまった事故。
航行中に機器の不調を感じ、マニュアルを副操縦士が読みながら必死に対応する様子なども克明に書かれていました。
もっとひどいものには、航行中の火事や、経年劣化・金属疲労などの原因から客室の天井が飛んで外れてしまった事故などもありました。
いずれも機長、副操縦士、航空機関士などがなんとか冷静になろうとしながら、必死の対応をしているものばかりで複雑な気持ちで読むことになりました。
ほんのちょっとした「うっかり」・・が大事故に・・というものもいくつかありました。
規模はまったく違いますが、自分がクルマの運転をする時にも「だろう」運転や、「油断」した運転、「調子に乗った」思い上がりの運転など、注意しようと思いました。
「人類への戒め」がたくさん例示された本でした。
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