北方謙三さんの「生きるための辞書 -十字路が見える-」を読みました。
『生きるための辞書 -十字路が見える-/北方謙三著(新潮社)』という本を読みました。
これもまたブックオフで格安で見つけました。
週刊新潮に2017年~2019年にかけて掲載されたものの単行本化です。2020年刊行。
北方さんは1947年生まれですから、もうけっこうなお歳なわけですが、すごいです、前にグングン進んでいく、そして火中に飛び込み、様々な国で様々な経験をしていく・・なまじの精神力や体力では追いつかないような、そんなエピソードと共に“生き抜く極意”を記した一冊となっていました。
読んでいるこちらの肩に力が入ってしまった・・。
ただでさえ政情不安な国に出掛けて行っては、その国の真の姿は表向きの街の姿を見ているだけではわからないと、あやしいお店のあやしい人にあやしい女がいるようなところを紹介してもらって、行ってみるのです。
あやしい女と部屋に入っても、“そういうこと”はせずに、話をしたり様子を伺ったりして、さらに実際のその国の国情のようなものまで感じ取っているのです。
“そういうこと”はしなかった、と書かれていますが、それは・・そうなんでしょう。
読んでいくと、結局その調査というか視察というか、北方さんの行動は物書きの仕事に結びついていくようです。
表面上の出来事や出会ったものを“のっぺり”と書いたって、読者は面白くないですものね。特に北方さんのファンにとっては。
海の生き物の食べ方についても、ご自分で船に乗って出掛け、船上で調理したり、実にくわしく、寿司屋で無茶な注文をして、嫌がられるかと思いきや、「そこまで知っているのか」と逆に大将と仲良くなったりもしています。
男から見たら(女性から見てもかもしれないが)、実に魅力ある人だと感じました。
でも、私のようなインドア派で臆病で、根性なし^_^;には、とても付き合えるような人ではありません。
死ぬまで“ハードボイルド”な方なのでしょう。
あまりにもゴツゴツ、ゴリゴリしたその感じに途中からだんだんついていけなくなりましたが、ざらざらとしたこの男っぷりに惚れてしまうような人には決して長編とは感じない345ページでしょう。
・・私は、ちょっと疲れた・・。
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