「ショージ君のほっと一息」を読んだ。
『ショージ君のほっと一息/東海林さだお著(文春文庫)』という本を読みました。
例によって古本で見つけたのですが、『オール読物』に昭和51年から52年に渡って掲載された「ショージ君の日本拝見」を文庫化したものです。
文庫化された時点で1981年となっています。40年を優に超えています。だから東海林さんも若い、40代で、小学生の娘さんと出かけたりするシーンも出てきたりしていました。
40年も前に書かれたものですが、その当時の世相が見えていました。
都内私立中学御三家といわれる学校の受験シーンを観察していましたが、両親や塾の先生達が受験校の校門で激励する様子、子供達の淡々とした様子、今もそんな状況は変わっていないのかもしれません。
また、「松茸」取りにガイドと一緒に山に入り(※当時の費用は1万5千円)、松茸ざんまい目指して奮闘するのですが、40年前でも松茸はすでに貴重なものであり、庶民はなかなか口にできないものであったことに、あらためて驚きました。その頃はもっとたくさん取れていたんじゃないかと思っていたのです。
観光ツアーを利用して房総半島の旅に出たりもしています。
でも、それも今とあまり変わっていないような感じです。ホテル・旅館の様子もバス内でのガイドさんとお客さんの様子も。
むしろあの頃の方が人々は貪欲で、あちこちに出かけて行ったり、男女関係にも積極的であったり、様々なことを知ろうとする意欲もあったように、あらためて感じました。
あの頃と全く変わってしまったことは、携帯電話・スマートフォンがほぼ国民全員の手にあることでしょうか。
情報は入るし、人との繋がりも多くなったのに、どうでしょう、あまり人は活動的でなく、いつも携帯を見ながら歩き、そのせいで身体を前に屈め、どうみても、人も世間も活発な印象が無くなりました。
そんなことを思いつつ、この本を読んだのでした。
色々思い出したこともあり、懐かしい感じで読了いたしました。
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