石田衣良さんの「目覚めよと彼の呼ぶ声がする」を読んだ。
『目覚めよと彼の呼ぶ声がする/石田衣良著(文藝春秋)』を読みました。
いつものように、ブックオフで格安購入、元々の文は二十年くらい前に雑誌などに掲載されたもので、それらをまとめたこの本が発刊されたのも2007年となっています。
直木賞受賞前後の石田さんの文は、ご本人がまだ若い頃ということもあり、けっこう溌剌としています。
女性誌に掲載された“男女関係をどう進めたら良いのか”という内容の文などは、迷っていないで“どんどん行け”みたいなものが多い(^^;)
意外なことに、ここに掲載されている文の中で、携帯(まだ、いわゆる“ガラケー”と呼ばれていたもの)を初めて使っている様子が書かれています。
石田さんなら、他に先駆けて真っ先に携帯を使っていろいろやっていたのかと思っていたのですが、圧倒的な読書量と、割とアナログな関係を大事にしていそうな石田さんなので逆に納得したりもしました。
まだSNSなども出てきていない頃なので、「メール」が携帯電話の主なやり取り、役割を担っていて、石田さんは《からっぽな携帯の世界》と書かれています。石田さんの興味を引くような携帯の時代には、まだ、なっていなかったのです。
この本を読んでいると、石田さんの興味は“英雄豪傑”のような人ではなく、市井の人々の暮らしぶり、街の様子などを肌で感じることであったことがよくわかりました。
石田さんの目に映った街の様子や、人々の暮らし、生活、生き方が石田さんの作品の重要な部分を占めていた頃なので、その頃の石田さんのアンテナがどういうところに張られていたのか、ということが理解できました。
2000年に入ったばかりの当時の空気を感じつつ読み終えました。
今日は古本屋を覗いて来ようと思っているので、石田さんの本も探してみようかと思っています。
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