「十二人の手紙/井上ひさし」を読みました。
『十二人の手紙/井上ひさし著(中公文庫)』を読みました。
1978年に刊行されたものの文庫化です。
なので、今の時代には考えられない親子関係や男女関係、師弟関係、社会的な関係も背景に見え隠れしていましたが、それはそれ、その当時はそうだったのだと読み進みました。
十二人それぞれの物語が“行き来する”手紙形式で書かれていて、手紙自体が小説になっているのでした。
最初っから驚いたのは、読者である私もひとつの「手紙」として一通一通読んでいくわけですが、まさかその手紙に書かれていることがまるで嘘だったり、行ったり来たりのものだと思っていると、実は一人で双方向の手紙が書かれていたり、中には手紙ではなくて、申請書・届書の書式に書かれた提出物のみで人間ひとりの一生、人生が書かれていたり、私のようなすぐに人を信じ込んでしまうタイプの者には、十二ある物語の最後の方になってくると、「どこで騙しているんだろう」と疑心暗鬼になり、手紙を書いてる相手は架空の人物なんじゃないか・・などと頭の中が混乱し、心の中が不安でいっぱいになったのでした。
読んでいると、次はどうなってしまうんだろう・・と、いったん頁を閉じたりしつつ、でも気になって続きを読んだり・・^_^;・・結局最後まで読んじゃいました。
結果は・・面白かったです。でもちょっと身体に悪かった・・(^_^;)
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