「ラジオ深夜便 新 珠玉のことば ~ラジオが教えてくれた名言100~」を読んでみました。
『ラジオ深夜便 新 珠玉のことば ~ラジオが教えてくれた名言100~/月刊誌『ラジオ深夜便』編集部(NHKサービスセンター)』という本を古本で見つけ、読んでみました。
山田太一さん、中村メイコさん、美輪明宏さんらがラジオ深夜便で語った100のメッセージが掲載されています。
1頁に1メッセージが載っていてとても読みやすく、それぞれのメッセージから来るインパクトも強く感じることができました。
生物学者の福岡伸一さんの言葉が印象に残りました。
生き物たちは三十八億年の進化の過程で、特定の食べ物をめぐって無益な争いが起きないように、互いの領分を棲み分けてきました。
ほかの生物の棲みかに土足で上がり込んでそこに何かを作ったり、地球の裏側から食べ物を取ってきたり、そんなめちゃくちゃをしているのは人間だけです。
・・人間って、案外生物としては“下等”な部類に入るのかもしれません。
過去の失敗、経験は都合の良いように忘れ去られたり、捻じ曲げられて記憶されたりして、また同じ過ちを繰り返すのですから。
東京医科歯科大名誉教授の藤田紘一郎さんは
「汚いもの」「要らないもの」を排除する超清潔志向が、社会から少しはみ出した人たちを異物視する風潮につながって、心の問題にまで広がっているように思えてならないのです。
と語っています。
これも現在の、特に日本の状況を示しているような気がします。
汚いだとか、要らないと思っている側もかなり偏向しているんじゃないでしょうか。
汚くもないし、要らないはずがない、という事物に対しても過剰ともいえる反応を示しています。
Twitter(X)などを見ても、自分とは異なる意見や志向のある人に寄ってたかって総攻撃を掛けている様子がうかがえます。
それが社会の片隅にいるような人に対して重くのしかかり、心の問題にまで発展しているのではないかと危惧します。
上記以外も「なるほどそうかもしれない」という言葉がいくつもありました。
この本は手元に置いて、自分の気の緩みを引き締める役割を果たしてくれそうです。
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