「眠れぬ夜に読む本/遠藤周作」を読みました。
『眠れぬ夜に読む本/遠藤周作著(光文社文庫)』という本をブックオフで見つけて読んでみました。
この文庫本自体が遠藤さんが亡くなられた年に発行されています。過去のエッセイを集めたものとなっていました。
遠藤周作先生と言えば、私が中学生の頃の「狐狸庵シリーズ」と呼ばれた面白いエッセイが当時の私の愛読書でしたが、この本はそんな時代の狐狸庵先生を彷彿とさせてくれました。
先生はあまりお身体が丈夫ではなかったと思われますが、割と病気に対しては“スピリチュアル”なアプローチをされていて、単に西洋医学に頼るのみでなく、人間本来の「治癒力」を呼び覚ますようなことが大切だと感じておられたようです。
まさに今の私のような状態だったようです。
あの薬を飲んでも、この薬を飲んでも「ほら治った」というわけにはいかない、ということがここ数年体調が良かったり悪かったりの繰り返しをしている自分が感じていることです。
自分の気持ちの持ち方や、医師や整体師、鍼灸師との会話の中に治癒力を増すきっかけがあるようです。
その他話題は、他の奇行が目立つ作家や、仲の良い作家のこと、執筆作業をする場についてなども書かれていましたが、今のこの時代に遠藤先生の文を読むと、実に読みやすいです。
ことさら難しい表現も使わず、話は丁寧に綴られ、全体にゆったりとしていて、味わうように読むことが出来ました。
自分では気づいていませんでしたが、今どきの本を続けて読んでいると、先を焦り、端折って読んでしまったり、本文自体が先を急いで端折られていたりで、「これからはもっとゆっくり読もう」と思いました。
そして自分がこのブログに書いている文についても、少しゆったりとした気持ちで書こうと思いつつ読了いたしました。
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