尾辻克彦の「カメラが欲しい」を読みました。
『カメラが欲しい/尾辻克彦著(新潮文庫)』を古本で見つけ、読んでみました。
昭和61年に刊行されたものの文庫化で、昭和63年に発行されています。
古い本なので、ここに出てくるカメラはもちろん「フィルムカメラ」です。
挿絵は「赤瀬川原平」とありますが、これは尾辻さん本人。文筆業のときは尾辻克彦、イラストや絵画・芸術のときは赤瀬川原平ということになっています。
読んでいると、この時代でもカメラはいよいよプラスチック製のものが台頭し始めていて、金属のボディでないとなかなか所有欲まで湧いて来ない、という話題もありました。
たしかに、重いけれども昔はカメラってちょっと重厚感が欲しいような気分がありました。
この頃はミノックス、ローライ、ミノルタ、ニコン、キャノン、オリンパス、と次々と製品が発表されていたようで、尾辻さんのそれらに対する期待や、“こうあって欲しい”という願望などが書かれていて、「カメラ好き」の気持ちがダイレクトに伝わってきました。
尾辻さんは、あの『超芸術トマソン』でもカメラを持ち、街に出かけ、数々の超芸術を撮影しているし、子供さんが生まれたときのことも書かれていましたが、子供の成長も新製品で数多く撮られていたようです。
まさに、自分の趣味と仕事と生活が一体になっている感じでした。
古い本だけど、なぜこの本を手にしたかというと、今、自分のカメラが故障したままで(オリンパスのカメラがもう部品が無くて修理不能ということでメーカーから返って来てしまった)、新しいカメラが欲しいなあと思っている矢先に見つけたからです。
この本を読んで、気分を盛り上げつつお店に出かけようなんて(*^^*)思ったのでした。
少し気分が上向きになってきたので、効果はあったようです。
来週にでもお店に行ってみようと思っています。
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コメント
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懐かしいな!糸井重里さんから、後楽園球場の客席で、ローライ(銀のお菓子)を、貰う場面が、ありましたね。オリンパスのミューの前身のモデル(池波正太郎先生も、所有していた)の話しもありました。(レンズがワンタッチで隠れるカバーが、付いていた)この、本は、90年代の半ばに読んでました。オリンパスミューは、当時、ヒカリカメラ八重洲店で、一万円の中古を、入手して愛用してました。森山大道さんが、このモデルで、写真集を作りました。シャッターのタイミングで、驚くほど、良い写真が、撮れました。最後は、シャッターが、壊れて廃棄した思い出があります。
投稿: 野中 和久 | 2023/08/26 09:25
オリンパス・ミュー、使っていたんだ。
古い本を見つけて面白そうで読んでみたんだけど、カメラには詳しくなくてネットで調べて「ああ、このカメラ!」と思いました。
ついこのあいだ、長年使用したペン・ミニが壊れて修理不能になっので、ついに決意して同じオリンパスの「ペン」現行モデルを買いました。まだほとんど使っていないけど、楽しみです。
投稿: はっP | 2023/09/14 21:29