吉行淳之介と開高健の対談形式本「街に顔があった頃」を読みました。
『街に顔があった頃 浅草・銀座・新宿/吉行淳之介・開高健(新潮文庫)』を古本で見つけ、読んでみました。
古い本です。昭和60年4月に刊行されたものです。
大正13年生まれと昭和5年生まれの作家同士の対談、浅草・銀座・新宿という地域を中心に広がっていくわけですが、実は“ほぼ”猥談と言っていいお話しばかりです。
浅草などだけでなく、外国での体験談なども入っていて、この時代だから許されたのだろうと思いました。
これが印刷物となって発行されていたことに驚くのですが、でもかなり貴重な昭和二十年代の世相、風俗の資料ともなると思いました。
奥さんがこれを読んだらいったいどうなるの?!とも思いましたが、・・きっともう呆れていて読むこともなかったのかもしれません。
しかも、女性との奇天烈な体験談だけではありません、そういう趣味はないといいながら、男性とのある種の体験談もお二人とも書かれていました。
もうそういうことに対する興味関心は底なし状態であったのだろうと推察いたしました。
今の世の中で、そんな男は“絶滅”したと思われます。夫婦でも友達みたいにしたり、恋人でも“何もしない”関係なんて今どきよくある話なんじゃないかと思います。
残念ながら、対談の内容はここに書くことは出来ませんが、読んでみると当時の“プロ”の人たちとの会話やその場での存在の仕方、行為そのものについての様子が垣間見えるし、市井の人たちの夫婦の“いとなみ”の変わった嗜好などについても初めて聞くようなことが書かれていました。
一度読んで驚いてみるのもいいかもしれません(^-^;
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