フォト

わたしのいきつけ

無料ブログはココログ

« 「見事な死/文藝春秋編」を読みました。 | トップページ | 「最後の聖泉 誰も行けない温泉/大原利雄」という本を読みました。 »

2023/10/13

「抱擁/北方謙三」を読みました。

20231013_kitakata_kenzou_001

『抱擁 -北方謙三 恋愛小説集-/北方謙三著(徳間文庫)』という本をブックオフで見つけ、読んでみました。
この作品は、文庫オリジナル版で、2001年に発行されたものです。

二十年以上前の本ということもあるし、著者・北方さんの年代的なこともありますが、この恋愛小説集(北方さんが恋愛小説・・・)、携帯電話・スマートフォンの類は小説中に出て来ません。女性をクルマに乗せて音楽を聞くときは「ミュージックテープ」と書かれていますが、カセットテープを掛けているのだと思います。

出てくる音楽もコルトレーンや、その他シャンソン、私もよくわからない外国の民族音楽のようなもので、それも北方さんが表現するハードボイルド?な恋愛にピタリとハマっているように感じました。

登場するお酒(ワイン、ウィスキー、カクテルなど)も、実際に色々なお酒を飲んできた人にしか書けないものでした。

登場する女性の多くは、私が生まれてから一度も会ったことのないような、“いい女”で、独自の恋愛観を持ち、男との関係は“駆け引き”がその中心にあり、どっちが振ったのか、振られたのかわからないような“大人の関係”が描かれていました。

ホテル、レストラン、バーなども実に“絵になる”描写で書かれ、マスターなども一筋縄ではいかない人物でした。

特定の女性とは、どんな美女でもせいぜい1~2年しか付き合わなくて、いつどうやって別れるかが、男としての“見せどころ”なのですが、実は女に手玉に取られているんじゃないかというお話も多かった。

北方謙三さんの持つ“カッコいい男”がそれぞれの短編小説の中で、それぞれの恋愛関係と別れを演じているような感覚で読みました。

このシチュエーションを今の世の中の状況では書くことは出来ないでしょう。
すべてスマホの中で男と女の関係は“ケリ”がついてしまい、海に行ったり、洋服を買いに行ったり、お酒を飲みながらの会話など、こんなに濃密に時間の経過が描かれるということはないんじゃないかと思われます。

いい時代の、いい男と女の物語を夢の世界のように読み終えました。

 

« 「見事な死/文藝春秋編」を読みました。 | トップページ | 「最後の聖泉 誰も行けない温泉/大原利雄」という本を読みました。 »

恋愛」カテゴリの記事

書籍・雑誌その2」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 「見事な死/文藝春秋編」を読みました。 | トップページ | 「最後の聖泉 誰も行けない温泉/大原利雄」という本を読みました。 »

2024年7月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

最近のトラックバック